GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社は6月12日、宇宙領域におけるサイバーセキュリティの確立と、その持続的な利活用を目的に株式会社ワープスペースと5月20日に業務提携契約を締結したと発表した。

 両社の業務提携で、ワープスペースが有する人工衛星群が宇宙空間でどのように連携しデータを中継していくかを、現実世界と同じようにデジタル空間に再現する最先端技術「宇宙デジタルツイン技術」と、GMOサイバーセキュリティ byイエラエのサイバーセキュリティの専門知識を融合させ、宇宙システム全体を包括的に支援する次世代型の開発・運用プラットフォームの共同研究を推進する。


 本プラットフォームは、多数の人工衛星を連携させて運用する衛星コンステレーションなどの宇宙システムを仮想空間上に精緻に再現する。GMOサイバーセキュリティ byイエラエは特に、宇宙システムに携わる技術者のサイバーセキュリティ教育や、サイバー攻撃が発生時の影響を最小限に抑え、迅速に復旧させるための訓練「インシデントレスポンス訓練」の実現に注力する。

 宇宙デジタルツイン技術を用いてデジタル空間上に仮想的な宇宙システム環境を構築することで、宇宙システムの開発者・運用者は実機に影響を与えることなく、繰り返しインシデントレスポンス訓練が実施でき、複雑で高度なサイバー攻撃やシステム障害への対応力を高めることが可能になる。

 同プラットフォームの活用で、宇宙システムの開発者は、開発初期段階からサイバー攻撃の脅威やその影響を意識し、セキュリティ対策を取り入れることが可能となる。設計予定の宇宙システムをデジタル環境上に再現することで、サイバー攻撃への耐性を実証的に評価でき、宇宙産業の開発現場へのセキュアバイデザインの考え方の浸透と、宇宙産業全体のセキュリティレベル向上に貢献する。

 株式会社ワープスペース 代表取締役CEOの東宏充氏は「宇宙はサイバーと同様のボーダーレス空間であり、世界のあらゆる力が直接激突する極めて厳しい環境です。この宇宙もサイバー同様、社会実装に向けた段階を迎え、さらなる競争や衝突が生まれることが容易に想像できます。ワープスペースはこの業務提携を通じて、この重要且つ深刻な課題を解決するソリューションの提供に向けて尽力いたします。」とコメントしている。

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