警察庁は3月12日、「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」を発表した。

 同レポートでは、令和7(2025)年のサイバー犯罪やサイバー攻撃等のサイバー空間の脅威について、事例や統計等データを掲載している。
急速に社会へ浸透しているAIについて「特集I」として、深刻な社会問題となっているランサムウェアについて「特集II」としてまとめた上で、警察における取組を「国家安全保障におけるサイバー警察の果たす役割」と「サイバー空間における匿名性の打破に向けた警察の取組」で記載している。

 「特集I AIをめぐる脅威の情勢と警察の取組」では、高校生の少年(17歳)が生成AIを悪用し、複合カフェのアプリのサーバに不正な指令を送信して会員情報を漏えいさせるとともに、アプリ機能の一部を停止させ、カフェ運営会社の業務を妨害し、2025年12月に不正アクセス禁止法違反及び偽計業務妨害罪で逮捕した事例を取り上げている。

 「特集II ランサムウェアをめぐる脅威の情勢と警察の取組」では、ランサムウェアグループ「Phobos」「8Base」に対しEUROPOLやFBI等との国際共同捜査を推進し、サイバー特別捜査部が被疑者3名を特定したほか、暗号化されたデータを復号するツールを開発したことを紹介している。

 その他、2025年におけるランサムウェアの被害報告件数は226件と依然として高水準で推移しており、長期にわたり企業活動が阻害され、国民生活に影響を及ぼした被害も複数発生したことを取り上げている。

 2025年のフィッシング報告件数は245万4,297件で右肩上がりの増加が継続しており、インターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生件数は4,747件、被害総額は約103億9,700万円で、フィッシングがその手口の約9割を占めていた。

 警察の取組としては、2025年のサイバー犯罪の検挙件数は1万5,108件と過去最高を記録したことを取り上げている。警察庁では令和8(2026)年度からサイバー事案対処に専従する技術系職員の採用を予定しており、都道府県警察では、中途採用・特別採用された警察官等約480人がサイバー特別捜査官等として活躍しているという。また、令和8(2026)年度当初予算(案)におけるサイバー空間の脅威への対処に係る予算は66億7,900万円となっている。

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