中国が進める広域経済圏構想「一帯一路」において、「鉄道」はインフラとして重要な役割を果たす存在と見込まれており、中国と欧州、東南アジア諸国を鉄道で結ぶ計画がある。しかし、中国がこの計画を打ち出すよりずっと前に、日本は類似した計画を持っていた。
「大東亜縦貫鉄道」は、日中戦争のころの日本が計画したもので、日本とアジアを結び、最終的にはヨーロッパへ向かう鉄道を建設して結ぶという壮大な計画だ。記事では特に「日本とシンガポールを結ぶ鉄道」を計画していたと紹介した。
記事によると、この計画では日本から海底トンネルで朝鮮半島を経由して中国大陸に入り、さらに南下してベトナムやタイ、マレーシアを通ってシンガポールまでを結ぶ鉄道網を建設することになっていたという。総距離1万キロを超える大きなプロジェクトだったと伝えた。
そして、この夢のような計画を当時の日本人の多くが支持していたと主張した。当時の日本政府にとっては東南アジアの資源を獲得するのに便利であり、日本国民にとっては日本の統治下にあったルート沿線への移動に便利だったからだと分析している。それで、「当時は多くの日本人が鉄道でシンガポールへ行けるという夢を見ていた」とし、「このことからも、当時は日本全体が狂った状態だったことがよく分かる」と論じた。
結局、日本が敗戦しこの計画が実現することはなかったが、21世紀になって中国が「一帯一路」という形で同様の計画を立てているのは興味深い点だ。とはいえ、米中の対立が激化していることもあり、中国が鉄道計画を順調に進めるのは簡単ではないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)