中国を中心とした経済圏の確立を目指す「一帯一路」構想を掲げる中国は、東南アジアへの影響力拡大に強い関心を示している。この点、日本はライバルだが東南アジアへの影響力が強く、「日本のやり方はうまい」と感心しているという。
中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど「日本はミャンマーに取り入って、うまくミャンマー人の歓心を買っている」と主張する動画を配信した。

 動画はまず、日本は他の大国を抑え込み、ミャンマー社会では圧倒的に高く評価されていると紹介し、日本が評価されるようになった主な理由の1つが「官民一体となった投資」で、日本はミャンマーにとって最大の支援国だと指摘している。2019年度の日本の対ミャンマーODAは、円借款、無償資金協力、技術協力合わせて1893億円にのぼった。

 また、投資対象についても日本は「やり方がうまい」という。日本は少数民族と農村の貧困救済に力を入れ、農業支援、教育、インフラ整備など「国民が直接生活の変化を実感できる」方法で支援してきたので、地元住民からの支持を得ることに成功し、これにより日本企業がミャンマーに進出しやすくなったとしている。

 日本とミャンマーとの間には、中国のうらやむような親密な関係があるようだ。ミャンマー国軍は中国と親しいと言われているが、ミャンマー国民の対中感情は決して良いとは言えないのが現状だ。この動画に対し、「動画ではミャンマーの援助国に中国は含まれていないが、中国は投資だけで援助はしていないのか」と疑問を呈すコメントがあり、別の視聴者が「そうでなければミャンマー人が中国系の工場を攻撃するはずがない」と返答していた。

 また、中国人には日本は目的があってミャンマーを支援している、と思われているようで、「日本は長期的視点に基づいた金儲けがうまい」など感心する意見が見られた。動機はいずれにしても、日本はミャンマー情勢を鑑みて、2021年は対ミャンマーODAを見送ることに決定した。日本とミャンマー、そして中国とミャンマーとの関係は、これからさらに変化していくのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
編集部おすすめ