韓国は、国連貿易開発会議(UNCTAD)に先進国への地位変更を申請し、2021年7月にその申請が認められ、発展途上国から正式に先進国となった。韓国の先進国入りを、中国人はどう受け止めているのだろうか。
動画サイト・西瓜視頻は8日、「韓国が正式に先進国の仲間入りをしたのに、中国がいまだに発展途上国である理由」と題する動画を配信した。

 発展途上国と先進国の違いというのは、明確な定義がないものの、いくつかの要素があるようだ。動画ではそのうちの1つを紹介し、「第3次産業が発展しているかどうかだ」と伝えている。中国は農業従事者が多く、製造業も世界の工場と言われるほどだ。しかし第3次産業はまだ未発展の部分が多いので、中国はまだ先進国とは言えないと主張した。

 次いで、中国と韓国は「先進国という肩書に対する考え方」が違うとも指摘した。UNCTADの例からも分かるように、韓国は先進国として認められるために積極的に働きかけてきたと主張する一方、先進国と認められると「義務も増える」ので、発展途上国だった時に受けていた優遇がなくなり、環境保護への要求も高くなり、平たく言うと「お金がかかる」のだと主張。そのため、中国は「肩書にこだわらないことにしたのだ」と論じた。

 動画では、中国は肩書などなくても構わない、といった論調を展開しているが、要は先進国としての経済的支出が惜しく、国際的な義務を回避したいとも聞こえてしまう。世界第2位の経済大国なだけに、あまり聞こえの良い話ではないはずだが、中国人はあまりそう思わないようだ。「先進国など、肩書だけ」、「先進国という名前は好きではない。中国に一文の得にもならない」といったコメントが寄せられていた。


 中国はメンツを重視する人が多いが、先進国という肩書については全く拘らないという意見が多かった。習近平国家主席も「中国は永遠に発展途上国の家族の一員」であると述べており、こうした見解が中国人ネットユーザーたちに影響を与えているのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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