中国江蘇省蘇州市で12日、ホテルが倒壊して複数の宿泊客が生き埋めになる事故が発生した。中国国内における報道によれば、13日6時30分(日本時間13日7時30分)までに14人が救出されたという。


 今回の事故の原因についてはまだ調査中ではあるものの、「違法建築」あるいは「手抜き工事」の可能性が指摘されているようだ。中国ではこのような事故がしばしば発生しているが、中国ネットユーザーたちはどのような反応を示しているのだろうか。

 中国の掲示板サイト知乎での反応を見てみると、「中国ではこんな事故が多すぎる」というコメントが多く見られた。中国では不動産の持ち主が変わるたびに、オーナーが勝手に建物を改造し、階数を増やしたり、部屋数を増やすために壁を後から設置するようなケースは珍しくないことを紹介し、その結果、建物がバランスを崩したり、荷重に耐えきれず倒壊するような事故は珍しくないことを指摘する声があった。

 また、中国の法律では本来、建築物の安全性に対して十分な余裕を持った基準を定めていると指摘し、都市部で新しく建築される建物こそ安全基準に則っているが、地方の中小都市や大都市の郊外にある旧市街地、都市部にありながら発展から取り残されたエリア「城中村」においては「安全基準を守っていない違法建築がかなり多く存在する」と指摘するコメントも見られた。

 そのほか、こうした事故については「不動産バブルの弊害」だと主張するコメントも見られた。今回の事故が発生した蘇州市は上海のすぐそばの都市であり、不動産価格が高止まりしている都市でもあるが、こうした都市では「建築物を修理しようにも古すぎて修理できないのに、取り壊すにはコストが莫大すぎて取り壊せない」という状況が見られると強調。このような状況が続く限り、今後も建築物の倒壊という事故は続くに違いないとの見方も見られた。(編集担当:村山健二)(写真はイメージで記事の事故現場ではありません。イメージ写真提供:123RF)
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