中国は世界中でワクチンを提供する「ワクチン外交」を展開している。2021年6月にはASEANで唯一、中国製ワクチンを敬遠していたベトナムも受け入れを決定したが、ベトナム人の間ではいまだに中国製ワクチンへの拒否反応は強いようだ。
中国の動画サイト・西瓜視頻は23日、「ベトナム人の多くが中国製ワクチンを打ちたがらない理由」を分析した動画を配信した。

 動画を配信しているのは若いベトナム人女性で、中国語でベトナム人の本音を伝えている。この女性によると、中国製ワクチンを受け入れたくないのは「中国に対して好感を持てない」からだそうだ。そのうえで、ベトナム人が中国に対して好感を持てない理由は3つあると伝えている。

 1つ目は「戦争」の歴史だ。ベトナムは長い歴史を通じて中国との戦争を繰り返しており、今でも中越間には矛盾が存在すると指摘している。中国人は歴史問題で日本を恨むわりには他国の国民感情に疎いようだ。2つ目はベトナム女性への「蔑視」、3つ目はベトナムをいまだに貧困な国だと思い込み、見下す中国の「尊大な態度」が我慢できないためとした。

 ベトナム人女性への蔑視は、中国の農村部に嫁いできたベトナム人女性が多いことと関係しているだろう。中国では長らく一人っ子政策が行われ、男性の数が女性より圧倒的に多く、結婚できない男性はベトナム人に多額のお金を提示して結婚するというケースが多い。

 配信者の説明は、ベトナム人のごく一般的な国民感情を示したものだというが、中国人には説明されてもピンとこないものらしい。コメント欄のほとんどが「金持ちが優越感を抱くのは自然なことだ」、「ベトナム人女性は好きで中国に来ている」といった内容で占められていた。
「中国人は反省するべきだ」とコメントした人は、「何を反省するのか」と反論されていた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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