中国高速鉄道は安全性の向上に尽力してきたようだが、今でも「地震」は一大リスクであり続けている。2022年1月には、青海省で発生した地震の影響で、蘭新高速鉄道(蘭新高鉄)のトンネルの一部が崩れ、運休せざるを得ない事態が発生した。
中国メディアの網易は13日、高速鉄道が地震という弱点を克服する方法について考察する記事を掲載した。

 記事はまず、高速鉄道は非常に便利な交通機関だが、地震にはどうしても弱いと紹介した。運行中に地震が発生すると脱線しやすく、いったん脱線すると再開までに時間がかかってしまうためだ。青海省で発生した地震に際しては、脱線事故こそ発生しなかったが、一部区間の運休が決まったようだ。

 では、高速鉄道は地震という「弱点」にどのように対応したら良いのだろうか。記事は、地震対策の進んだ日本でさえ、新潟県中越地震で脱線事故が起きたことがあると指摘し、地震による被害をゼロにすることではなく、最小限に抑えることを目標にするべきだと主張した。

 そのうえで、最善の地震対策とは「1に早期警報、2に緊急停止」だと分析している。1秒でも早く止まることができれば、脱線して死傷者を出すリスクはかなり抑えられるという。ただ中国では、今のところ地震を早期に検知するシステムが未発達だとして、今後の発展に期待しているようだ。

 記事は、とにかく「できるだけ早く停止することで脱線させない」ことを強調しているが、新幹線の地震対策は早期地震警報システムだけではない。脱線させないため、また脱線しても大きく逸脱しないための二重・三重の安全対策を設け、トンネルや高架橋などの耐震補強も行ってきた。新潟県中越地震においても、死傷者がゼロだったのは地震前に高架橋を自主的に補強工事していたことも大きかったと言われている。
いずれにせよ、地震が多発する日本で大きな被害を出したことのない新幹線の安全性は極めて高いと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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