週明け29日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比226.98ポイント(1.29%)高の17878.13ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が56.73ポイント(0.90%)高の6326.49ポイントと6日続伸した。売買代金は967億5450万香港ドルに拡大している(26日の前場は724億150万香港ドル)。

 中国経済対策の期待感が相場を押し上げる流れ。不動産支援の動きが各地に広がっている。四川省の省都、成都市は28日、住宅購入規制を全面的に撤廃すると発表した。これより先には、蘇州市、長沙市など複数の二線都市が住宅購入規制を撤廃。中信建投証券は最新リポートで、今後さらに多くの都市が規制緩和に動くと予想している。中国企業の業績改善や、米ハイテク株高も支えとなった。
中国の景気鈍化懸念などで朝方は上値が重かったものの、指数は徐々に上げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が8.6%高、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が8.4%高、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が7.9%高と上げが目立った。AIAについては、自社株買い枠の拡大が支援材料となっている。また、今年第1四半期(1~3月)の新契約価値が前年同期比27%増の13億2700万米ドル(約2090億円)に拡大し、同期としては過去最高を記録したこともプラスだ。
 セクター別では、中国の不動産が急伸。上記した銘柄のほか、世茂集団HD(813/HK)が26.8%高、融創中国HD(1918/HK)が23.9%高、中国奥園集団(3883/HK)が21.5%高で引けた。

 医療(サービス、機器、製薬)関連の銘柄群も高い。京東健康(6618/HK)が5.6%、阿里健康信息技術(241/HK)が4.7%、上海微創医療機器人集団(2252/HK)が11.9%、微創医療科学(853/HK)が7.5%、薬明生物技術(2269/HK)が5.9%、百済神州(6160/HK)が3.2%ずつ上昇した。
 中国の金融セクターもしっかり。中国銀行(3988/HK)が3.2%高、中国農業銀行(1288/HK)が2.0%高、中国人寿保険(2628/HK)が4.3%高、中国平安保険(2318/HK)が3.6%高、中信証券(6030/HK)が2.4%高、中国国際金融(3908/HK)が2.0%高で前場取引を終えた。
 半面、産金・非鉄セクターはさえない。中国黄金国際資源(2099/HK)が4.9%、山東黄金鉱業(1787/HK)が4.6%、霊宝黄金(3330/HK)が4.1%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.2%、江西銅業(358/HK)が3.0%、中国宏橋集団(1378/HK)が2.2%ずつ下落した。

 一方、本土マーケットは4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.80%高の3113.29ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。ハイテク株、医薬株、消費関連株、金融株、インフラ関連株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。金融株、非鉄株、公益株、運輸株も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)