内外環境の改善で投資家心理が上向く流れ。米国では米連邦準備理事会(FRB)がインフレ動向の目安とする6月の(食品とエネルギーを除く)米個人消費支出(PCE)コア価格指数が予想通りの結果となったことで、FRBは9月に利下げ開始するとの観測が改めて強まっている。米債券市場では、米10年債利回りの低下が続いた。中国では過度な景気懸念が後退。27日に公表された6月の工業企業利益は前年同月比で3.6%増加し、伸びは5月の0.7%から大幅に加速している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)と自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)がそろって5.3%高、通信機器・自動車メーカーの小米集団(1810/HK)が4.3%高と上げが目立った。中升や小米については、自動車買い替え支援策の強化が引き続き材料視されている。
セクター別では、中国の銀行・保険が高い。交通銀行(3328/HK)が2.9%、中国農業銀行(1288/HK)と中国工商銀行(1398/HK)がそろって2.3%、中国人民財産保険(2328/HK)が2.5%、新華人寿保険(1336/HK)が2.1%ずつ上昇した。
ネット関連の銘柄も物色される。上記したアリババのほか、百度(バイドゥ:9888/HK)が2.4%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が2.3%高、美団(3690/HK)が2.0%高で引けた。
半面、中国不動産セクターは安い。
一方、本土マーケットは小幅続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.04%高の2892.10ポイントで前場の取引を終了した。銀行・保険株が高い。公益株、自動車株、軍事関連株なども買われた。半面、不動産株は安い。食品・酒造株、エネルギー株、素材株、医薬株、空運株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)