中国景況感の改善が好感される流れ。取引時間中に公表された10月の財新中国製造業PMI(民間集計)は50.3に拡大し、景況判断の境目となる50を再び回復した(9月は49.3)。先行して前日発表された国家統計局などによる製造業PMIは市場予想(49.9)を上回る50.1となり、節目の50を6カ月ぶりに超過している。経済対策の期待感も持続。11月4~8日に開催される全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の第12回会議では、大型財政政策が決定されるとの観測が強まっている。ただ、上値は限定的。米半導体株安や、対外関係の悪化などが投資家心理の重しとなった。また、11月1日に公表される10月の米雇用統計や、5日の米大統領選なども気がかり材料として意識されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、本土・香港不動産の上げが目立つ。中国海外発展(688/HK)が5.8%高、華潤置地(1109/HK)が5.6%高、恒隆地産(101/HK)が3.2%高で引けた。本土不動産については、大都市圏での住宅販売が10月に持ち直したと伝わったことも材料視されている。
レアアース・非鉄関連も高い。
中国の銀行セクターもしっかり。中国農業銀行(1288/HK)が3.7%高、中国建設銀行(939/HK)が2.3%高、中国工商銀行(1398/HK)が2.1%高、中国銀行(3988/HK)が1.9%高で前場取引を終えた。
半面、半導体セクターはさえない。蘇州貝克微電子(2149/HK)が4.2%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.8%、華虹半導体(1347/HK)が2.3%、晶門半導体(2878/HK)が1.8%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.7%ずつ下落した。
他の個別株動向では、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が7.1%安。同社の7~9月期決算は実質(特殊要因を除く)10.6%増益だったが、10~12月期の売上高見通しが予想にとどかず、投資家の失望売りにつながった。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.60%高の3299.61ポイントで前場の取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)