中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。中国人民銀行(中央銀行)の政策顧問で北京大学の黄益平・教授は26日、中国経済を刺激するための政策余地は非常に大きいとしたうえで、消費押し上げには改革の実行が必要だとの認識を示した。また、海外の投資銀行がこのところ、相次いで中国のGDP成長率見通しを上方修正したこともプラス材料。あわせて、中国株マーケットの強気スタンスも示している。
ただ、上値は限定的。米関税政策の不透明感を嫌気し、指数は安く推移する場面もみられた。トランプ米大統領は26日、全ての輸入自動車に一律25%の関税を課すと発表。一方、トランプ氏は同日、北京字節跳動科技(バイトダンス)が提供するショート動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却などに関連し、取引を成立させるため対中関税をやや引き下げる可能性があると述べている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、取引再開した中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が11.0%高。筆頭株主で上海証券取引所に上場する新奥天然気(600803/SH)による非公開化計画材料視した。そのほか、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が6.0%高、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が5.9%高と上げが目立っている。
セクター別では、消費関連が高い。
半面、レアメタル・非鉄セクターはさえない。非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が5.4%、ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が3.0%、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が2.8%、モリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が2.5%、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(769/HK)が1.3%ずつ下落した。
本土マーケットは3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.15%高の3373.75ポイントで取引を終了した。消費関連が高い。医薬、金融株、エネルギー株株なども買われた。半面、発電は安い。素材、不動産、運輸、インフラ関連も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)