中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。一部の香港メディアは先ごろ、3月の人民元建て融資の上振れについては、「当局の金融緩和を示唆」するものだと市場関係者の見解として報じた。そのほか、中国政府は内需を拡大させるため、追加の消費刺激策を打ち出す――との観測も広がっている。ただ、上値は重い。指標発表を前に、指数は安く推移する場面もみられた。中国ではあす16日、3月の小売売上高や鉱工業生産、第1四半期GDP成長率などが発表される。また、トランプ米大統領の関税政策が二転三転しているため、状況を見極めたいとするスタンスも買い手控えの一因となった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、消費関連が高い。スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(2020/HK)が3.0%、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が2.9%、即席麺・飲料大手の康師傅HD(322/HK)が2.8%、豚肉生産で世界トップの万洲国際(288/HK)が2.4%ずつ上昇した。
中国金融セクターもしっかり。中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)が1.5%高、交通銀行(3328/HK)が1.4%高、中国人民保険集団(1339/HK)が1.7%高、中国人寿保険(2628/HK)が1.0%高、国泰君安証券(2611/HK)が1.9%高、広発証券(1776/HK)が1.7%高で引けた。
半面、半導体セクターは安い。
一方、本土マーケットは6日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.07%安の3260.55ポイントで前場取引を終了した。ハイテクが安い。不動産、医薬、自動車、素材、インフラ関連、公益なども売られた。半面、食品飲料・酒造、小売の消費関連は高い。銀行、エネルギー、通信・メディアも買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)