中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。
ただ、上値は限定的。中国指標が気がかりだ。中国ではあす16日、3月の小売売上高や鉱工業生産、第1四半期GDP成長率などが発表される。注目のGDP成長率に関しては、昨年第4四半期(10~12月)の5.4%から今年第1四半期の5.2%に減速するとの予想が市場のコンセンサスだ。中国政府は今年の成長率目標を「5.0%前後」に設定しているが、専門家の一部からは達成が困難との指摘もある。また、トランプ米大統領の関税政策が二転三転しているため、状況を見極めたいとするスタンスも買い手控えの一因となった。指数は安く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
銀行株が相場をけん引。上海浦東発展銀行(600000/SH)が2.8%高、中国農業銀行(601288/SH)が2.3%高、中国銀行(601988/SH)が1.8%高、招商銀行(600036/SH)が1.5%高、中国工商銀行(601398/SH)が1.3%高で取引を終えた。
消費関連株も総じてしっかり。家具の亜振家居(603389/SH)が5.8%、化粧品の上海家化聯合(600315/SH)が3.9%、エナジー飲料の東鵬飲料(605499/SH)が2.4%、酒造の今世縁酒業(603369/SH)とチーズ生産の上海妙可藍多食品科技(600882/SH)がそろって2.1%、食品の仏山市海天調味食品(603288/SH)が1.4%ずつ上昇した。保険株、エネルギー株、公益株、通信・メディア株なども買われている。
半面、ハイテク株はさえない。積層セラミックコンデンサ(MLCC)製品の鴻遠電子(603267/SH)が4.5%安、情報技術サービスの武漢精倫電子(600355/SH)が4.2%安、半導体製造装置の瑞芯微(603893/SH)電子機器メーカーの国睿科技(600562/SH)がそろって2.5%安、IC設計の上海韋爾半導体(603501/SH)が2.3%安、電子部品メーカー大手の環旭電子(601231/SH)が2.2%安、携帯端末ODM(相手先ブランドによる設計・生産)の華勤技術(603296/SH)が2.0%安で引けた。ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」が0.8%逆行安している。そのほか、軍需産業株、不動産株、自動車株、インフラ建設株、素材株、証券株も売られた。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.99ポイント(0.38%)高の259.47ポイント、深センB株指数が1.76ポイント(0.15%)高の1180.95ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)