中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。一部の香港メディアは先ごろ、3月の人民元建て融資の上振れについて、「当局の金融緩和を示唆する」と市場関係者の見解として報じた。そのほか、中国政府は内需を拡大させるため、追加の消費刺激策を打ち出す――との観測も広がっている。ただ、上値は重い。指標発表を前に、指数は安く推移する場面もみられた。中国ではあす16日、3月の小売売上高や鉱工業生産、第1四半期GDP成長率などが発表される。また、トランプ米大統領の関税政策が二転三転しているため、状況を見極めたいとするスタンスも買い手控えの一因となった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、消費関連が高い。民営教育サービス事業者の新東方教育科技集団(9901/HK)が3.7%、中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉(9633/HK)と豚肉生産で世界トップの万洲国際(288/HK)がそろって2.5%、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(2020/HK)が2.4%ずつ上昇した。
中国発電セクターもしっかり。華能国際電力(902/HK)が3.1%高、華潤電力HD(836/HK)が2.2%高、華電国際電力(1071/HK)が2.1%高、中国電力国際発展(2380/HK)が1.4%高で引けた。
半面、半導体セクターは安い。
一方、本土マーケットは小幅に6日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.15%高の3267.66ポイントで取引を終了した。銀行が相場けん引。食品飲料・酒造、小売の消費関連、保険、エネルギー、公益、通信・メディアなども買われた。半面、ハイテクは安い。軍需産業、不動産、自動車、インフラ建設、素材、証券も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)