様子見ムードが漂う流れ。貿易問題を巡り、週末に予定する米中の閣僚級協議が気がかりだ。米国が前向きなスタンスを示していることはプラスだが、市場関係者の一部からは、交渉は難航するとの声も聞かれている。一方、取引時間中に公表された4月の中国貿易統計では、米ドル建て輸出が予想を大幅に上回ったものの、相場に対する影響は限定された。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、香港に拠点を置く不動産や小売の上げが目立つ。恒基兆業地産(12/HK)が5.3%高、新鴻基地産発展(16/HK)が3.1%高、周大福珠宝(1929/HK)が3.8%高で引けた。
中国の銀行セクターも強含み。招商銀行(3968/HK)が1.8%、中国農業銀行(1288/HK)が1.1%、中信銀行(998/HK)が1.0%、中国工商銀行(1398/HK)が0.9%ずつ上昇した。
一方、半導体セクターは急落。華虹半導体(1347/HK)が12.2%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6.9%安、上海復旦微電子集団(1385/HK)が6.0%安、蘇州貝克微電子(2149/HK)が5.6%安ずつ下落した。華虹については、四半期業績の88%減益が売り材料視されている。SMICの1~3月期決算は162%増益と堅調だったが、予想に届かなかったことが嫌気された。
自動車セクターもさえない。東風汽車集団(489/HK)が3.8%安、理想汽車(2015/HK)が3.1%安、小鵬汽車(9868/HK)が2.3%安、長城汽車(2333/HK)が1.3%安で前場取引を終えた。ほか、スマートドライブ関連の知行汽車科技(蘇州)(1274/HK)が4.3%安、地平線(9660/HK)が2.4%安と値を下げている。
一方、本土マーケットは4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.26%安の3343.38ポイントで前場取引を終了した。ハイテクが安い。不動産、自動車、素材、軍需産業、インフラ建設なども売られた。半面、銀行は高い。公益、海運、エネルギー、消費の一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)