売り圧力が意識される流れ。前日はハンセン指数が3.0%高と8連騰し、3月27日以来の高値水準を回復していた。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。米中関係の融和期待が高まっている。米中の閣僚級通商協議で双方が課した追加関税の大幅引き下げで合意する中、トランプ米大統領は12日、今週末に中国の習近平・国家主席と会談する可能性があると述べた。共同記者会見によると、互いに課している追加関税をそれぞれ115%引き下げる。うち24%は90日間の停止とし、今後の協議で撤廃か再引き上げか決定する予定だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が7.6%安と下げが目立った。同社が報告した3月のスマートフォン用レンズ出荷数は前年同月比16.3%減。2カ月連続のマイナス成長が売り材料視された。そのほか、電子機器受託製造サービス(EMS)の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が7.1%安、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が4.9%安などと値を下げている。
セクター別では、自動車が安い。
半導体やクラウド、AI(人工知能)技術の銘柄もさえない。華虹半導体(1347/HK)が4.2%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が4.0%安、金山雲HD(3896/HK)が5.9%安、微盟集団(2013/HK)が5.5%安、北京第四範式智能技術(6682/HK)が4.7%安、商湯集団(センスタイム・グループ:20/HK)が3.2%安で引けた。
証券セクターも売られる。交銀国際HD(3329/HK)が5.5%安、中国国際金融(CICC:3908/HK)が4.0%安、第一上海投資(227/HK)が3.8%安、招商証券(6099/HK)が3.4%安で取引を終えた。
半面、産金セクターは高い。霊宝黄金(3330/HK)が5.4%、赤峰吉隆黄金鉱業(6693/HK)が5.2%、山東黄金鉱業(1787/HK)が4.8%、中国黄金国際資源(2099/HK)が4.3%ずつ上昇した。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.17%高の3374.87ポイントで取引を終了した。銀行が高い。太陽光発電、医薬、エネルギー、素材、運輸なども買われた。半面、軍需産業は安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)