内外環境の安定が買い安心感を誘う流れ。中国景気の過度な鈍化懸念が薄らいでいる。米中通商協議の合意を受け、双方は互いに課した制裁措置を相次ぎ緩和した。複数の証券会社は、中国の経済成長見通しを上方修正している。2025年の国内総生産(GDP)成長予想について、ゴールドマン・サックスは4.0→4.6%、JPモルガン・チェースは4.1→4.8%にそれぞれ引き上げた。米インフレ鈍化も好材料。13日に公表された4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇にとどまり、市場予想(0.3%上昇)を下回った。利下げがしやすくなったと期待されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(2628/HK)が6.6%高、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が5.2%高、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が5.1%高と上げが目立った。京東健康については、1~3月期決算の営業利益が前年同期比で119.8%増加したことも好感されている。
セクター別では、中国の保険・証券が高い。中国人寿保険のほか、中国太平洋保険集団(2601/HK)が6.8%、中国人民保険集団(1339/HK)が6.0%、新華人寿保険(1336/HK)が5.0%、第一上海投資(227/HK))が7.8%、広発証券(1776/HK)が6.3%、華泰証券(6886/HK)が4.9%ずつ上昇した。
海運セクターも急伸。太平洋航運集団(2343/HK)が7.8%高、海豊国際HD(1308/HK)が6.5%高、東方海外(316/HK)が4.9%高、中遠海運HD(1919/HK)が3.4%高と値を上げた。米中が関税を一時停止する90日間に、駆け込みの輸出入が増加すると予想されている。すでに、中国輸出業者は貨物船の船腹確保を急いでいるもよう。報道によると、上海市の物流会社では、米中が共同声明を発表した12日の夜に、予約問い合わせが直近の3~4倍に急増した。
新興EV(電気自動車)関連もしっかり。浙江零ホウ科技(9863/HK)が6.1%高、理想汽車(2015/HK)が4.5%高、小鵬汽車(9868/HK)が3.9%高、蔚来集団(9866/HK)が3.5%高で引けた。
医療サービス関連も物色される。京東健康のほか、訊飛医療科技(2506/HK)が6.9%高、阿里健康信息技術(241/HK)が3.7%高、平安健康医療科技(1833/HK)が2.6%高で取引を終えた。
一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.86%高の3403.95ポイントで取引を終了した。保険が高い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)