中国景気の持ち直しが期待される流れ。中国国家統計局は27日、中国工業企業の利益総額は、2025年4月に前年同月比で3.0%増加し、2カ月連続でプラス成長を達成したと報告している。また、格付け大手のムーディーズ・レーティングスは26日、中国の格付け「A1」を据え置いた。これを受けて中国財政部は、外部環境の不安定化にもかかわらず、中国経済は力強さと活力を十分に発揮したなどとする声明を発表している。そのほか足元では、複数の海外銀行が中国経済と中国株マーケットの先行きを楽観するリポートを相次ぎ公表した。ただ、上値は重い。貿易問題を巡る不透明感がくすぶっている。指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医薬の上げが目立つ。石薬集団(1093/HK)が5.8%高、中国生物製薬(1177/HK)が4.7%高、翰森製薬集団(3692/HK)が3.7%高で引けた。
エアラインやツアー会社など旅行関連の物色も続く。中国東方航空(670/HK)が4.6%高、中国国際航空(753/HK)が3.2%高、中国南方航空(1055/HK)が2.9%高、飛道旅遊科技(8069/HK)が7.1%高、同程旅行HD(780/HK)が2.1%高と値を上げている。
消費関連の一角も物色される。茶飲料チェーンの四川百茶百道実業(2555/HK)が9.0%、フィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップ・マート:9992/HK)が5.4%、酒造の青島ビール(168/HK)が4.0%、組み立てキャラクター玩具の布魯可集団(325/HK)が2.9%、ハイパーマーケットの高キン零售(6808/HK)が2.8%、スポーツ用品の安踏体育用品(2020/HK)が2.5%、食品・飲料の統一企業中国HD(220/HK)が2.1%ずつ上昇した。
半面、自動車セクターは安い。東風汽車集団(489/HK)が3.5%、蔚来集団(9866/HK)が2.1%、吉利汽車HD(175/HK)が1.7%、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.6%ずつ下落した。BYDが期間限定で一部車種を大幅値引きしたことに端を発し、販売競争が激化するとの不安が強まっている。
半導体セクターもさえない。英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が2.7%安、晶門半導体(2878/HK)が2.6%安、華虹半導体(1347/HK)が1.7%安、ASMPT(522/HK)が1.3%安で取引を終えた。
本土マーケットは4日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.18%安の3340.69ポイントで取引を終了した。ハイテクが安い。産金・非鉄、エネルギー、自動車、海運、インフラ関連、公益、保険・証券なども売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)