4日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比168.24ポイント(0.72%)高の23680.73ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が74.49ポイント(0.87%)高の8594.35ポイントと続伸した。売買代金は1190億2980万香港ドルとなっている(3日前場は1156億2890万香港ドル)。

 前日の好地合いを継ぐ流れ。「トランプ関税」を巡る協議の進展期待が高まっている。複数の米高官は、「トランプ米大統領が週内に中国の習近平・国家主席と会談する可能性が高い」と相次ぎ発言。米中貿易交渉の停滞打開が期待されている。
 中国景気の先行き不安もやや薄らぐ。足元で景況感の悪化が続く中、経済協力開発機構(OECD)が公表した最新の経済見通しでは、中国の25年成長率予測を前回の4.8%→4.7%と小幅な引き下げにとどめ、26年成長率予測を4.3%と前回から据え置いた。中国の景気刺激策が経済を支えると分析している。ただ、上値は限定的。米中協議の進ちょくを見極めたいとするムードも漂っている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、医薬関連の上げが目立つ。石薬集団(1093/HK)が4.8%高、中国生物製薬(1177/HK)が4.7%高、翰森製薬集団(3692/HK)が2.3%高、薬明生物技術(2269/HK)が1.8%高で引けた。薬品需給がタイトになるとの見方が広がっている。
中国本土や香港、シンガポールなどで新型コロナウイルス感染症が5月に入り再拡大する中、足元では台湾で感染症患者が急増していると伝わった。
 中国不動産セクターも高い。旭輝(884/HK)が7.4%、建発国際投資集団(1908/HK)が3.3%、融創中国HD(1918/HK)が3.0%、中国金茂HD(817/HK)が2.9%ずつ上昇した。
 自動車セクターもしっかり。小鵬汽車(9868/HK)が3.0%高、吉利汽車HD(175/HK)が2.9%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.6%高で前場取引を終えた。そのほか、スマートドライブ関連の速騰聚創科技(2498/HK)が4.4%高、地平線(9660/HK)が3.7%高と値を上げている。
 半面、香港の不動産セクターはさえない。新世界発展(17/HK)が1.9%、恒基兆業地産(12/HK)と領展房地産投資信託基金(823/HK)がそろって1.4%、新鴻基地産発展(16/HK)が1.3%ずつ下落した。
 本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.43%高の3376.58ポイントで前場取引を終了した。不動産が高い。自動車、医薬、証券、消費、資源・素材、ハイテクなども買われた。
半面、銀行は安い。運輸、公益、通信も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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