6日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比49.88ポイント(0.21%)安の23857.09ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が32.03ポイント(0.37%)安の8652.70ポイントと4日ぶりに反落した。売買代金は1020億7390万香港ドルに縮小している(5日前場は1241億3950万香港ドル)。

 米中の指標発表を前に買いが手控えられる流れ。米国では6日に5月の雇用統計、中国では週明け9日に5月の物価と貿易の統計が公表される。内容を見極めたいとするスタンスが広がった。ただ、下値は限定的。貿易問題を巡る米中協議の進展が期待されている。トランプ米大統領と中国の習近平・国家主席は5日に電話会談を実施。トランプ氏は自身のSNSに、「非常に良い会談だった」と投稿し、近く高官レベルの通商協議を再開すると述べた。指数は小高く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス:241/HK)が3.5%安、旅行サイト中国大手の携程集団(トリップドットコム:9961/HK)が2.4%安、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.1%安と下げが目立った。
 セクター別では、自動車が安い。蔚来集団(9866/HK)が5.1%、東風汽車集団(489/HK)が3.0%、小鵬汽車(9868/HK)が2.9%、長城汽車(2333/HK)が1.9%ずつ下落した。販売競争の激化が業績を圧迫すると不安視されている。
東風汽車については、5月の新車販売が前年同月比で0.8%減少し、3カ月連続のマイナス成長を喫したことも売り材料視された。
 半導体やクラウド、AI(人工知能)技術の銘柄群もさえない。蘇州貝克微電子(2149/HK)が3.7%安、晶門半導体(2878/HK)が2.3%安、万国数拠HD(9698/HK)が2.0%安、微盟集団(2013/HK)が1.1%安、北京第四範式智能技術(6682/HK)が3.2%安、青島創新奇智科技集団(2121/HK)が1.8%安で引けた。
 半面、産金・非鉄セクターはしっかり。紫金鉱業集団(2899/HK)が2.9%、中国黄金国際資源(2099/HK)が2.6%、招金鉱業(1818/HK)が2.2%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.1%、江西銅業(358/HK)と新疆新キン鉱業(3833/HK)がそろって3.1%ずつ上昇した。
 本土マーケットも小幅ながら4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.06%安の3382.11ポイントで前場取引を終了した。医薬が安い。自動車、消費、不動産、金融なども売られた。半面、資源・素材は高い。公益、インフラ建設、軍需産業も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
編集部おすすめ