１１日前場の香港マーケットは、主要８５銘柄で構成されるハンセン指数が前日比２２９．６０ポイント（０．９５％）高の２４３９２．４７ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧Ｈ株指数）が９３．９７ポイント（１．０７％）高の８８６１．３３ポイントと反発した。売買代金は１３２１億３１００万香港ドルとなっている（１０日前場は１２７０億１０３０万香港ドル）。

　米中対立の緩和期待が相場を支える流れ。外電は日本時間１１日、米中両国は貿易摩擦緩和に向けた「枠組み」で合意したと報じた。ロンドンで９～１０日の２日間、約２０時間にわたり実施された米中の閣僚級協議では、先月スイスのジュネーブで合意した内容を確実に実行する方法を巡り、暫定的な取り決めで合意したという。詳細はまだ明らかにされていないが、ラトニック米商務長官によると、米中の代表団は今回の提案事項を持ち帰り、それぞれの首脳が合意すれば実行に移される。（亜州リサーチ編集部）
　ハンセン指数の構成銘柄では、アルミ加工の中国宏橋集団（１３７８／ＨＫ）が４．５％高、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険（２６２８／ＨＫ）が４．２％高、自動車ディーラー大手の中升集団ＨＤ（８８１／ＨＫ）が３．３％高と上げが目立った。
　セクター別では、中国の保険・証券が高い。中国人寿保険のほか、新華人寿保険（１３３６／ＨＫ）が４．５％、中国平安保険（２３１８／ＨＫ）が２．４％、広発証券（１７７６／ＨＫ）が６．３％、華泰証券（６８８６／ＨＫ）が４．９％、中信証券（６０３０／ＨＫ）が２．５％ずつ上昇した。
　中国の不動産セクターもしっかり。遠洋集団ＨＤ（３３７７／ＨＫ）が７．０％高、雅居楽集団ＨＤ（３３８３／ＨＫ）が５．０％高、中国奥園集団（３８８３／ＨＫ）が２．７％高、合景泰富地産（１８１３／ＨＫ）が１．６％高で引けた。
　レアメタル・非鉄セクターも物色される。中国宏橋集団のほか、希土類製品・耐火材大手の中国稀土ＨＤ（７６９／ＨＫ）が１３．０％高、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技（６６８０／ＨＫ）が７．０％高、リチウム製品の江西カン鋒リ業（１７７２／ＨＫ）が３．７％高、モリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団（３９９３／ＨＫ）が２．９％高で前場取引を終えた。レアアースの中国稀土は７日続伸。
前場の終値は０．８７香港ドルと、２日終値の０．３８５香港ドルから株価は倍増している。米国向けのレアアース輸出が再開されるとの思惑が続いた。
　半面、医薬セクターはさえない。四環医薬ＨＤ集団（４６０／ＨＫ）が５．２％、三生製薬（１５３０／ＨＫ）が４．６％、石薬集団（１０９３／ＨＫ）が２．４％、信達生物製薬（１８０１／ＨＫ）が１．７％ずつ下落している。
　本土マーケットも反発。主要指標の上海総合指数は、前日比０．５４％高の３４０３．００ポイントで前場取引を終了した。保険・証券が高い。消費関連、ハイテク、自動車、資源・素材、不動産、インフラ関連なども買われた。半面、医薬は安い。銀行、空運、通信も売られた。
（編集担当：亜州リサーチ＝サーチナ）
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