利益確定売りが先行する流れ。ハンセン指数は前日、3月19日以来、約3カ月ぶりの高値水準を回復していた。また、中東地域の地政学リスクが高まっていることも重しとなっている。貿易問題を巡る米中の閣僚級協議で、両国が5月に合意した内容を確実に実行することで意見が一致したことは引き続き支えとなったが、市場の一部には、いったん好材料が出尽くしたとの見方も浮上した。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が4.7%安、ビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が4.4%安、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が2.6%安と下げが目立った。
セクター別では、自動車が安い。小鵬汽車(9868/HK)が5.0%、蔚来集団(9866/HK)が2.7%、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.3%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が2.1%ずつ下落した。
消費セクターの一角もさえない。百威亜太や海底撈のほか、茶飲料の滬上阿姨(上海)実業(2589/HK)が3.4%安、百貨店の百盛商業集団(3368/HK)が3.3%安、テレビの創維集団(751/HK)が2.9%安、ベビー用品の好孩子国際HD(1086/HK)が2.4%安、スポーツ用品の李寧(2331/HK)が1.9%安で引けた。
半面、医薬品セクターは高い。中国生物製薬(1177/HK)が15.1%、緑葉製薬集団(2186/HK)が6.6%、百済神州(6160/HK)が5.4%、四環医薬HD集団(460/HK)が2.7%ずつ上昇した。中国生物製薬は11日まで開催されたゴールドマン・サックス第46回年次グローバルヘルスケア会議に招待され、最新の開発状況などを説明し、近く重要な対外ライセンス取引が成立する予定と説明している。
中国の保険・証券セクターもしっかり。中国人民保険集団(1339/HK)が3.3%高、中国人寿保険(2628/HK)が2.9%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.5%高、東方証券(3958/HK)が3.9%高、申万宏源集団(6806/HK)が3.4%高、広発証券(1776/HK)が1.9%高と値を上げた。
本土マーケットは小幅に続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.07%高の3404.66ポイントで前場取引を終了した。医薬が高い。素材、金融、自動車なども買われた。半面、消費関連は安い。エネルギー、運輸、公益、不動産も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)