13日の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前日比142.82ポイント(0.59%)安の23892.56ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が74.63ポイント(0.85%)安の8655.33ポイントと続落した。売買代金は2942億8700万香港ドル(約5兆5916億円)に拡大している(12日は2444億1230万香港ドル)。

 中東地域の地政学リスクが投資家心理を冷やす流れ。イスラエル軍は13日、核関連施設を含むイラン各地の軍事施設を数十カ所空爆したと発表。イラン軍報道官は同日、イスラエルへの反撃は確実に行われると声明した(その後、イランから100機以上の無人機がイスラエルに向けて発射されたとの情報も伝わる)。米長期金利の低下基調などを手がかりにハンセン指数は一時プラス圏に浮上したものの、上昇は続かず、再びマイナスに転じている。また、中国で週明け16日、5月の小売売上高や鉱工業生産などが公表されることも買い手控え要因として意識された。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.0%安、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が3.7%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が3.2%安と下げが目立った。光学部品メーカーの舜宇については、5月のスマートフォン用レンズ出荷数が前年同月比で5.2%減少し、2カ月ぶりにマイナス成長となったことが売り材料視されている。
 セクター別では、自動車が安い。小鵬汽車(9868/HK)が5.2%、蔚来集団(9866/HK)が4.9%、広州汽車集団(2238/HK)が3.1%、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.5%ずつ下落した。
 半導体やクラウドの銘柄群もさえない。晶門半導体(2878/HK)が6.6%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.0%安、微盟集団(2013/HK)が4.4%安、万国数拠HD(9698/HK)が3.1%安で取引を終えた。EV(電気自動車)やハイテクなどに売りが先行する中、ハンセン科技(テック)指数は1.7%安と他の主要指数をアンダーパフォームしている。

 半面、石油や産金の銘柄群は高い。中海油田服務(2883/HK)が3.3%、中国海洋石油(883/HK)が2.1%、中国石油天然気(857/HK)が1.8%、赤峰吉隆黄金鉱業(6693/HK)が10.6%、霊宝黄金(3330/HK)が6.1%、山東黄金鉱業(1787/HK)が6.0%ずつ上昇した。市況高が追い風。地政学リスクの高まりを受け、時間外取引のNY原油先物は一時10%超上昇し、金のスポット価格は史上最高値を更新した。
 本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.75%安の3377.00ポイントで取引を終了した。自動車が安い。医薬、消費関連、不動産、金融、ハイテク、空運なども売られた。半面、産金や石油関連は高い。海運、軍需産業、公益、通信も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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