投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中東地域の地政学リスクが依然くすぶっている。イランとイスラエルの軍事衝突を巡っては、和平交渉の動きが伝わるなど沈静化の期待が高まっていたものの、ここにきて再び混迷化した。攻撃の報復が治まる気配はなく、イスラエルはイラン首都テヘランへの空爆を強化。トランプ米大統領は17日午前(日本時間)、自身のSNSに「テヘランから全員退避するべきだ」と投稿した。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国経済対策の期待感が根強く、指数はプラス圏で推移する場面もあった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が7.1%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が4.7%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.6%安と下げが目立った。
セクター別では、医薬が安い。石薬集団や中国生物製薬のほか、四環医薬HD集団(460/HK)が7.7%、緑葉製薬集団(2186/HK)が7.2%、三生製薬(1530/HK)が4.3%ずつ下落した。
中国の不動産セクターもさえない。中国奥園集団(3883/HK)と遠洋集団HD(3377/HK)がそろって4.5%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.4%安、広州富力地産(2777/HK)が2.0%安で引けた。
半面、マカオのカジノ銘柄は高い。金沙中国(1928/HK)が4.8%、美高梅中国HD(2282/HK)が4.0%、永利澳門(1128/HK)が3.1%、銀河娯楽集団(27/HK)が2.7%ずつ上昇した。マカオ政府は16日、サウジアラビアやカタールなど中東5カ国の国民に対し、ビザおよび事前入境許可なしでマカオ入境を認めると発表。富裕層の多い中東からの旅客増でカジノ収入も拡大すると期待されている。
スマートフォン関連の銘柄もしっかり。高偉電子(1415/HK)が8.0%高、舜宇光学科技(2382/HK)が3.4%高、瑞声科技HD(2018/HK)が2.5%高、丘タイ科技(1478/HK)が1.6%高で前場取引を終えた。
本土マーケットも反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.19%安の3382.14ポイントで前場取引を終了した。医薬が安い。ハイテク、不動産、消費関連、自動車、銀行・保険なども売られた。半面、エネルギーは高い。公益、証券、運輸も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)