19日前場の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前日比479.21ポイント(2.02%)安の23231.48ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が181.87ポイント(2.12%)安の8412.32ポイントと3日続落した。売買代金は1233億1970万香港ドルとなっている(18日前場は1039億4100万香港ドル)。

 投資家のリスク回避スタンスが強まる流れ。米金融政策や中東情勢の不透明感が重しとなっている。18日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利が据え置かれ、利下げを急がない姿勢も示された。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は会見で、「経済の先行きは不確実性が高まっている」、「インフレは夏にかけて上昇する」などと見解を述べている。中東情勢を巡っては、「イランはトランプ米大統領による早期会談の提案を受け入れる見通し」との情報が伝わる一方、米国はイランとの直接的な軍事衝突の準備を進めている兆候があるとも報じられた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄は、ほぼ全面安(構成銘柄85のうち下落84)。個別では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が6.0%安、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が5.0%安、アルミ加工の中国宏橋集団(1378/HK)が4.9%安と下げが目立った。
 そのほか、旅行サイト中国大手の携程集団(トリップドットコム:9961/HK)が4.0%安。ライバル企業との競争が激化すると懸念されている。オンライン旅行代理店(OTA)事業に本格参入する電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)は18日、ホテル業界サプライチェーンのコスト最適化を図ると同時に、「ゼロ手数料」で事業者の登録を募る方針を明らかにした。指数銘柄ではないが、同業の同程旅行HD(780/HK)が9.3%安と急落している。
 セクター別では、医薬が安い。
石薬集団のほか、四環医薬HD集団(460/HK)が5.4%、緑葉製薬集団(2186/HK)が5.3%、康希諾生物(6185/HK)が4.0%ずつ下落した。
 非鉄やセメント、鉄鋼など素材セクターもさえない。宏橋集団のほか、中国アルミ(2600/HK)が4.6%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.0%安、中国建材(3323/HK)が3.6%安、安徽海螺水泥(914/HK)が3.3%安、鞍鋼(347/HK)が5.0%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.1%安で引けた。
 クラウドやAI(人工知能)技術の銘柄群も売られる。万国数拠HD(9698/HK)が4.7%安、微盟集団(2013/HK)が3.9%安、金蝶国際軟件集団(268/HK)が3.6%安、北京第四範式智能技術(6682/HK)が3.5%安、商湯集団(センスタイム:20/HK)が2.8%安と値を下げた。
 本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.86%安の3359.78ポイントで前場取引を終了した。不動産が安い。インフラ関連、資源・素材、医薬、消費、自動車なども売られた。半面、銀行は物色されている。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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