中東情勢の安定化期待が投資家心理を上向かせる流れ。トランプ米大統領は日本時間24日午前7時過ぎ、「イランとイスラエルが暫定的な停戦で合意した」とSNSに投稿した。中東情勢を巡っては、イスラエルを支援する米軍が21日、イランの核施設を直接攻撃。イランは報復措置としてカタールの米軍基地にミサイルを発射した。ただ、イランは攻撃を事前通知していたため人的被害はなく、攻撃は抑制的だったと分析されている。米中の金融緩和期待も支え。米金融政策動向に関しては、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事に続き、ボウマン副議長も7月の米利下げを支持する可能性を示唆した。中国では「景気下支えに向け、当局は下半期に金利や預金準備率を引き下げる可能性がある」との見方が広がっている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、民営教育サービス事業者の新東方教育科技集団(9901/HK)が9.3%高、アルミ加工の中国宏橋集団(1378/HK)が6.9%高、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が4.7%高と上げが目立った。
セクター別では、自動車が高い。理想汽車のほか、浙江零ホウ科技(9863/HK)が5.7%、小鵬汽車(9868/HK)が3.8%、比亜迪(BYD:1211/HK)が3.5%ずつ上昇した。そのほか、スマートドライブ関連の知行汽車科技(蘇州)(1274/HK)が7.0%高、地平線(9660/HK)が4.6%高、速騰聚創科技(2498/HK)が4.1%高と値を上げている。
中国の保険・証券セクターもしっかり。中国人民保険集団(1339/HK)が3.6%高、中国平安保険(2318/HK)が3.4%高、中国人寿保険(2628/HK)が2.7%高、国聯証券(1456/HK)が6.5%高、中国国際金融(3908/HK)が5.7%高で引けた。
空運セクターも物色される。中国国際航空(753/HK)が4.2%高、中国南方航空(1055/HK)と国泰航空(293/HK)がそろって2.9%高、中国東方航空(670/HK)が2.3%高で前場取引を終えた。空運需要の伸びが期待される。国泰航空が報告した月次実績によると、5月の旅客数は前年同期比で36.1%増加。客席稼働率は2015年以降の5月として最多を記録した。
半面、海運セクターは安い。太平洋航運集団(2343/HK)が14.5%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が9.8%、海豊国際HD(1308/HK)が2.1%、東方海外(316/HK)が1.5%ずつ下落する。前日は、海上運賃上昇の思惑で急伸していた。
本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.00%高の3415.45ポイントで前場取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)