投資家のリスク選好が継続する流れ。イランとイスラエルが停戦で合意し、高騰していた原油相場が落ち着きを取り戻していることがプラス材料だ。24日のWTI原油先物は前日比6.0%安と大幅続落(前日は7.2%安)。イラン国会がホルムズ海峡封鎖を決議した22日には約5カ月ぶりの高値を付けていたが、イスラエルがイランに攻撃を開始した頃の水準に落ち着いた。資源インフレが経済を圧迫するとの懸念が薄らいでいる。また、米利下げ期待が続いているほか、中国の政策に対する期待感が高まっていることもプラス。中国人民銀行(中央銀行)、国家発展改革委員会、財政部など6部門は24日、「消費の振興と拡大を金融で支援するための指導意見」を発表した。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、民営教育サービス事業者の新東方教育科技集団(9901/HK)が10.6%高、香港不動産開発大手の恒隆地産(101/HK)が5.5%高、香港不動産デベロッパー大手の恒基兆業地産(12/HK)が3.8%高と上げが目立った。新東方教育に関しては、大手ブローカーの強気見通しも追い風。JPモルガンは最新リポートで、同社株の格付けを「中立」から「オーバーウエート」に引き上げた。年初来からの下落で値ごろ感が高まったうえ、2026年度の強気業績見通しが達成可能だと分析している。
セクター別では、香港と本土の不動産が高い。
証券セクターも急伸。第一上海投資(227/HK))が25.5%高、中州証券(1375/HK)が14.5%高、招商証券(6099/HK)が7.6%高、国聯証券(1456/HK)が7.0%高で引けた。
消費関連の一角も物色される。茶飲料の奈雪的茶HD(2150/HK)が5.1%高、レストランの九毛九国際HD(9922/HK)が3.3%高、米菓・飲料の中国旺旺HD(151/HK)と飲料水の農夫山泉(9633/HK)がそろって2.9%高、組み立てキャラクター玩具の布魯可集団(325/HK)が2.2%高、酒造の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が2.0%高で前場取引を終えた。
半面、海上輸送やコンテナリース・生産の海運セクターはさえない。海豊国際HD(1308/HK)が2.5%、中遠海運HD(1919/HK)が2.0%、東方海外(316/HK)が1.1%、勝獅貨櫃(716/HK)が1.4%、中国国際海運集装箱(2039/HK)が1.3%ずつ下落した。
本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.28%高の3430.16ポイントで前場取引を終了した。金融が上げを主導。不動産、ハイテク、軍需産業、自動車、公益なども買われている。半面、エネルギーは安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)