利益確定売りが先行する流れ。ハンセン指数は前日、3月19日以来、約3カ月ぶりの高値水準を回復した。指標発表も気がかり。中国ではあす27日に5月の工業企業利益、30日に6月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される予定だ。中東情勢の不透明感もくすぶる。イランとイスラエルが停戦で合意し、中東地域の緊迫化懸念はひとまず後退したが、混乱が完全に収束するかは見通せない状況だ。トランプ米大統領は25日、核問題を念頭に、米国はイランと来週協議すると述べている。
ただ、下値は限定的。中国の政策に対する期待感が続いている。天津市で25日開幕した世界経済フォーラム(WEF)の夏季ダボス会議で李強・首相が演説し、中国は消費主導型経済への転換を図り、超大型の消費市場を構築すると述べた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、自動車の下げが目立つ。吉利汽車HD(175/HK)が4.9%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が3.2%安で引けた。
香港不動産セクターも安い。領展房地産投資信託基金(823/HK)が2.5%、新鴻基地産発展(16/HK)が2.2%、恒基兆業地産(12/HK)が2.1%ずつ下落した。米利下げ観測がやや後退し、金融政策で米国に追随する香港でも域内金利の低下期待が遠のいている。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日、米連邦議会上院で議会証言に臨み、利下げを急ぐ必要性はないと改めて表明した。
中国の証券セクターも急落。中州証券(1375/HK)が6.5%安、国泰海通証券(2611/HK)が5.9%安、東方証券(3958/HK)が5.1%安、国聯証券(1456/HK)が5.0%安で取引を終えた。
半面、消費関連の一角は物色される。レストランの九毛九国際HD(9922/HK)が6.8%、食肉の中糧家佳康食品(1610/HK)が2.6%、スポーツ用品の李寧(2331/HK)が2.5%、フィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップ・マート:9992/HK)が2.3%、自動車ディーラーの中升集団HD(881/HK)と食品・飲料の統一企業中国HD(220/HK)がそろって2.2%ずつ上昇した。
他の個別株動向では、中国政府系旅行会社の香港中旅国際投資(308/HK)が86.0%高。世界大手のアーガイルホテルグループに、親会社が戦略出資したと伝わり材料視されている。
本土マーケットは4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22%安の3448.45ポイントで取引を終了した。医薬が安い。証券、消費関連、自動車、不動産、ハイテクなども売られた。半面、銀行は高い。軍需産業、資源・素材、公益も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)