27日の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前日比41.25ポイント(0.17%)安の24284.15ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が41.36ポイント(0.47%)安の8762.47ポイントと続落した。売買代金は2751億1450万香港ドル(約5兆600億円)に拡大している(26日は2617億2930万香港ドル)。

 高寄り後に売られる流れ。中国の景気先行き不安が高まった。朝方発表された5月の工業企業利益は前年同月比9.1%減となり、前月の3.0%増からマイナス成長に転落。減少は3カ月ぶりとなった。ただ、外部環境の安定化は下支えとなり、指数は引けにかけて下げ渋った。米中貿易摩擦を巡り、ラトニック米商務長官は26日、先月スイスのジュネーブで合意に達した関税などに関する貿易枠組みの合意について、最終的な理解の取りまとめに至ったと述べた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国人寿保険(2628/HK)が3.0%安、華潤置地(1109/HK)が2.6%安、百威亜太HD(1876/HK)が2.5%安と下げが目立った。ほか比亜迪(BYD:1211/HK)が1.2%下落。同社を巡っては先ごろ、中国国内の一部工場で生産規模を縮小していると報じられていた。
 このほか、足元買われていた本土系銀行セクターが安い。招商銀行(3968/HK)が2.4%、中国工商銀行(1398/HK)が2.0%、中国銀行(3988/HK)が1.5%、中国建設銀行(939/HK)が1.1%ずつ値下がりした。
 半面、小米集団(1810/HK)は3.6%高と好調。
一時は8.0%値上がりし、上場来高値を更新した。同社は26日夜、電気自動車(EV)のセカンドモデルとなる純電動SUV「YU7」を発表。販売開始からわずか3分で20万台を超える予約注文が殺到したと報じられている。これについてシティグループは「市場予想を上回った」と指摘した。
 このほか、非鉄金属セクターも大幅高。江西銅業(358/HK)が7.7%、洛陽モリブデン(3993/HK)が6.3%、紫金鉱業集団(2899/HK)が4.2%ずつ上昇した。トランプ米大統領が銅への輸入関税賦課を示唆するなか、ゴールドマン・サックスは26日、関税発効前に供給ひっ迫が深刻化すると予想している。
 本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.70%安の3424.23ポイントで取引を終了した。銀行が安い。資源、公益、食品・飲料なども売られた。半面、通信は高い。
電子、非鉄金属、繊維・アパレルなども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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