週明け30日前場の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比101.20ポイント(0.42%)安の24182.95ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が43.04ポイント(0.49%)安の8719.43ポイントと3日続落した。売買代金は1181億4100万香港ドルに縮小している(27日前場は1624億2860万香港ドル)。

 様子見ムードが漂う流れ。香港市場はあす7月1日、香港特別行政区設立記念日の祝日で休場となる。買い手控え要因として意識された。中国の景気鈍化も警戒される。寄り付き直後に公表された国家統計局による6月の中国景況感指数に関しては、製造業PMIが49.7と市場予想(49.6)をやや上回ったが、景況判断の境目50は3カ月連続で下回った。また、先週末に報告された5月の工業企業利益は前年同月比9.1%減となり、前月の3.0%増からマイナス成長に転落。3カ月ぶりに減少した。
 ただ、下値は限定的。中国当局は経済成長目標達成のため、景気対策を強めるとの見方が根強いほか、米株の高値更新も支えとなった。27日の米株市場は、年内の米利下げ期待が一段と強まる中、ハイテク株の主導で機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が前日比で0.5%上昇。2月19日に付けた史上最高値を更新した。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、ガラス生産の信義玻璃HD(868/HK)が2.1%安、本土大手行の中国銀行(3988/HK)が1.9%安、豚肉生産で世界トップの万洲国際(288/HK)が1.8%安と下げが目立った。
そのほか、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が1.6%安。4~6月期の納車見通し下方修正が売り材料視された。
 セクター別では、中国の銀行が安い。中国銀行のほか、中信銀行(998/HK)が2.6%、交通銀行(3328/HK)が1.9%、中国農業銀行(1288/HK)が1.4%ずつ下落した。
 中国の不動産セクターもさえない。遠洋集団HD(3377/HK)が4.3%安、合景泰富集団HD(1813/HK)が3.2%安、中国海外宏洋集団(81/HK)が2.2%安、建発国際投資集団(1908/HK)が1.6%安で引けた。
 他の個別株動向では、都市ガス供給の中国燃気HD(384/HK)が1.9%安。同社の通期決算が1ケタ増益にとどまったほか、新規世帯ユーザーが減少したことを嫌気した。
 半面、半導体セクターは高い。晶門半導体(2878/HK)が4.4%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.1%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.9%、華虹半導体(1347/HK)が2.6%ずつ上昇した。ハンセン科技(テック)指数は0.1%逆行高している。
 本土マーケットは3日ぶり反発。
主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.20%高の3431.18ポイントで前場取引を終了した。ハイテクが高い。軍需産業、自動車、不動産、医薬、素材なども買われた。半面、金融は安い。エネルギー、消費、空運も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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