投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中東地域の地政学リスクが再燃したほか、米雇用統計の発表も気がかり材料となっている。中東情勢を巡っては、イラン革命防衛隊が2日、「われわれは依然戦争状態にある」などとする声明を発表した。米国で今夜(日本時間21時30分ごろ)公表される6月の雇用統計は、米金融政策の判断材料となる。金融政策で米国に追随する香港にも影響が及ぶため、結果を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながった。
ただ、下値を叩くような売りはみられない。米中の通商対立に緩和の兆しが出てきている。外電が2日報じたところによると、米国政府はこのほど、中国向けの半導体設計ソフトウエア輸出規制を撤回。さらに、米国は中国に対するエタン輸出を再開することを認めた。そのほか、中国景況感の改善も支えとなっている。指数は引けにかけて下げ幅をやや縮小した。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、モバイル端末・自動車メーカーの小米集団(1810/HK)が3.4%安、民営教育サービス事業者の新東方教育科技集団(9901/HK)が3.0%安、電子商取引(EC)大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が2.9%安と下げが目立った。
セクター別では、前日に急伸した鉄鋼や太陽光発電関連の一角が安い。重慶鋼鉄(1053/HK)が23.3%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が5.0%、陽光能源HD(757/HK)と協キン科技HD(3800/HK)がそろって3.7%ずつ下落している。前日は、それぞれ業界の減産報道が流れ、製品価格の安定化期待で買われていた。
消費セクターの一角もさえない。組み立てキャラクター玩具の布魯可集団(325/HK)が4.4%安、フィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップ・マート:9992/HK)が3.3%安、火鍋の呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が2.6%安、食肉加工の中国雨潤食品集団(1068/HK)が2.1%安、ハイパーマーケットの高キン零售(6808/HK)が1.3%安で取引を終えた。
半面、自動車セクターの一角はしっかり。浙江零ホウ科技(9863/HK)が5.1%高、小鵬汽車(9868/HK)が2.5%高、広州汽車集団(2238/HK)が2.4%高、東風汽車集団(489/HK)が2.3%高で引けた。
本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.18%高の3461.15ポイントで取引を終了した。ハイテクが高い。医薬、消費関連、自動車、海運、インフラ関連なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)