米中関係の改善期待が相場を支える流れ。米国のルビオ国務長官と中国の王毅・外交部長は11日、マレーシアで初めて対面会談した。ルビオ氏は会談後、トランプ大統領と習近平・国家主席の首脳会談は実現する可能性が高いと発言している。また、王氏は会談後、米中はあらゆるレベルで対話の枠組みを強化することで合意したとの声明を発表した。
ただ、上値は重い。中国指標の発表を前に様子見ムードも漂っている。中国ではあす15日に6月の小売売上高や鉱工業生産、4~6月期の実質GDP成長率、金融統計も15日までに報告される予定だ。きょうの取引時間中に公表された6月の貿易統計に関しては、米ドル輸出が予想(5.0%増)を上回る5.8%増となり、輸入も1.1%増と予想(0.3%増)を上回っている。ただ、相場に与える影響は限定された。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、石炭中国最大手の中国神華能源(1088/HK)が5.2%高、がん・中枢神経疾患治療薬主力の翰森製薬集団(3692/HK)が3.5%高、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が3.3%高と上げが目立っている。神華能源は13日、中間業績の12~18%減益見通しを明らかにしたが、これを嫌気する売りはみられなかった。
セクター別では、中国の不動産が高い。
ゼネコンや素材(セメント・鉄鋼)などインフラ建設セクターも物色される。中国中鉄(390/HK)が2.6%高、中国建築国際集団(3311/HK)が1.7%高、中国建材(3323/HK)が7.4%高、安徽海螺水泥(914/HK)が5.9%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が7.2%高、鞍鋼(347/HK)が5.4%高で引けた。中国建材については、中間業績の黒字転換見通しが好感されている。
他の個別株動向では、鉄道車両最大手の中国中車(1766/HK)が6.1%高。同社は11日引け後、中間決算の純利益が前年同期比で60~80%増加するとの見通しを明らかにした。
半面、外食関連の一角はさえない。四川百茶百道実業(2555/HK)が6.0%、海底撈国際HD(6862/HK)が3.7%、呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)が1.2%、九毛九国際HD(9922/HK)が1.0%、奈雪的茶HD(2150/HK)が0.6%ずつ下落した。
本土マーケットも3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.27%高の3519.65ポイントで取引を終了した。医薬が高い。エネルギー、銀行、公益、消費関連、素材、インフラ関連、自動車なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)