23日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比0.44ポイント(0.01%)高の3582.30ポイントと小幅ながら5日続伸した。2022年1月以来、約3年半ぶりの高値水準を切り上げている。

 前日までの好地合いを継ぐ流れ。中国の政策に対する期待感が続いているほか、米中通商協議の進展期待も支えだ。ベッセント米財務長官は22日、スウェーデン・ストックホルムで中国側と来週会談し、8月12日に期限を迎える関税停止措置の延長について話し合う可能性に言及している。また、トランプ米大統領は22日、中国の習近平・国家主席から中国への招待を受けているとし、それほど遠くない未来に訪問する予定だと述べた。米政権はこのところ、中国に対しては柔軟な対応をみせている。一方、中国当局は22日、米デュポンへの独禁法違反調査を一時停止すると発表。貿易協議を前に対話環境の整備を図ったとの見方だ。ただ、上値は限定的。このところの上昇で、売り圧力の高まりも意識されている。指数は引けにかけて上げ幅を縮小させた。(亜州リサーチ編集部)
 金融株が相場を主導。中国農業銀行(601288/SH)が2.5%高、中国銀行(601988/SH)が0.9%高、中国平安保険(601318/SH)が2.3%高、中国人寿保険(601628/SH)が1.8%高、中信証券(600030/SH)が2.9%高、国泰海通証券(601211/SH)が1.1%高で引けた。

 電力設備・工事やセメントの一角も急伸。東方電気(600875/SH)や中国電力建設(601669/SH)、華新水泥(600801/SH)が連日でストップ(10.0%)高している。総投資額が約1兆2000億人民元(約24兆8200億円)に上る世界最大級の大規模水力発電ダムがチベット自治区で着工される中、需要増の期待が続いた。消費関連株、運輸株、半導体株の一角なども買われている。
 半面、軍需産業株はさえない。弾薬・ロケットの長城軍工(601606/SH)が7.9%安、航空機開発・製造・販売の中航瀋飛(600760/SH)が3.9%安、監視レーダーなど電子機器メーカーの四創電子(600990/SH)が2.7%安、衛星・ロケット用システムの航天時代電子(600879/SH)が2.0%安、航空用エンジンメーカーの中航動力(600893/SH)が1.9%安、軍用電子機器の中国海防(600764/SH)が1.2%安で取引を終えた。発電株、エネルギー株、医薬株、不動産株も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.41ポイント(0.15%)高の264.27ポイント、深センB株指数が5.06ポイント(0.40%)高の1276.33ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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