前日までの好地合いを継ぐ流れ。米中通商交渉が進展するとの見方が相場の支えだ。中国商務部は23日、何立峰・副首相が27~30日にストックホルムを訪問し、米国と閣僚級協議を行うと発表。ベッセント米財務長官が22日、来週(28~29日)ストックホルムで中国の当局者と3回目の通商協議を実施すると述べたことを認めた格好だ。8月12日に期限を迎える追加関税の一時停止措置の延長や、輸出規制の緩和がテーマに上るとみられている。トランプ米大統領は23日、中国との貿易合意をまとめている最中だと述べた。そのほか、中国当局はこのところ、製造業やサービス業などの価格競争激化を抑制することに注力していることに加え、大型インフラ建設事業プロジェクトをスタートさせたことも引き続き材料視されている。ただ、上値は限定的。ハンセン指数はこのところの上昇基調で約3年8カ月ぶりの高値水準を切り上げただけに、売り圧力も意識されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が7.9%高、アルミ加工の中国宏橋集団(1378/HK)が6.3%高、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が5.9%高と上げが目立った。
セクター別では、半導体が高い。
スマートフォン部材・組立の銘柄群もしっかり。丘タイ科技(1478/HK)が5.6%高、舜宇光学科技(2382/HK)が2.5%高、瑞声科技HD(2018/HK)が1.7%高、比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が4.0%高、富智康集団(2038/HK)が1.0%高で取引を終えた。
中国の不動産セクターも物色される。雅居楽集団HD(3383/HK)が9.5%高、碧桂園HD(2007/HK)が7.5%高、世茂集団HD(813/HK)が4.8%高、中国奥園集団(3883/HK)が3.1%高で引けた。
他の個別株動向では、段ボール原紙メーカーの玖龍紙業(2689/HK)が9.3%高。同社は複数の生産拠点で、段ボール原紙、再生クラフト紙の価格を1トン当たり30人民元(約610円)引き上げると発表した。そのほかの同業大手も製品価格引き上げを公表している。
半面、産金セクターはさえない。山東黄金鉱業(1787/HK)が4.2%、招金鉱業(1818/HK)が3.2%、霊宝黄金(3330/HK)が2.1%、赤峰吉隆黄金鉱業(6693/HK)が2.0%ずつ下落している。
本土マーケットは6日続伸。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)