1日前場の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前日比45.55ポイント(0.18%)安の24727.78ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が0.91ポイント(0.01%)安の8882.04ポイントと4日続落した。売買代金は1197億9670万香港ドルに縮小している(7月31日前場は1671億7770万香港ドル)。

 内外環境の不透明感が重しとなる流れ。米物価上昇を背景に、米利下げの後ずれ観測の強まりや、中国景況感の悪化がマイナス材料だ。取引時間中に発表された7月のS&Pグローバル中国製造業PMI(民間集計)は予想(50.2)を下回る49.5で着地。再び景況判断の境目となる50を割り込んだ。また、前日に公表された国家統計局などによる7月の製造業PMIは49.3と市場予想(49.7)に届かず、節目の50を4カ月連続で下回っている。不動産不況で内需が振るわないことや、米中貿易摩擦が続いていることなどが要因と分析された。ただ、下値は限定的。当局は成長目標達成のため、経済政策を強めるとの見方が根強く、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、石油・石炭の下げが目立つ。中国石油化工(386/HK)が4.8%安、中国石油天然気(857/HK)が2.2%安、中国神華能源(1088/HK)が1.3%安で引けた。原油相場の先安感が逆風。米関税政策が世界経済を押し下げ、エネルギー需要も鈍化するとの見方がくすぶっている。

 クラウドや人工知能(AI)技術、半導体の銘柄も安い。金山雲(3896/HK)が2.9%、万国数拠HD(9698/HK)が2.8%、北京第四範式智能技術(6682/HK)が3.9%、青島創新奇智科技集団(2121/HK)が2.8%、華虹半導体(1347/HK)が2.0%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.5%ずつ下落した。
 香港の不動産セクターもさえない。領展房地産投資信託基金(823/HK)が1.9%安、新鴻基地産発展(16/HK)が1.6%安、九龍倉置業地産投資(1997/HK)と恒隆地産(101/HK)がそろって1.4%安で前場取引を終えた。
 半面、宅配など物流関連は高い。中通快逓(2057/HK)が8.6%、円通速逓国際(6123/HK)が7.8%、京東物流(2618/HK)と順豊HD(6936/HK)がそろって2.1%ずつ上昇した。
 本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.19%安の3566.55ポイントで前場取引を終了した。エネルギーが安い。ハイテク、不動産、軍需産業、証券なども売られた。半面、医薬は高い。銀行、発電・電力設備、自動車も買われた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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