13日前場の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前日比470.23ポイント(1.88%)高の25439.91ポイントと3日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も165.67ポイント(1.86%)高の9082.52ポイントと続伸した。売買代金は1437億8500万香港ドルに拡大している(12日前場は1102億4630万香港ドル)。

 内外の好材料で投資家心理が上向く流れ。7月の米消費者物価指数(CPI)がほぼ想定内となったことで、米連邦準備理事会(FRB)が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げする確率が再び高まった。香港は金融政策で米国に追随するため、域内の金利低下も期待されている。また、昨夜の米株市場で、ナスダック指数が2日ぶりに史上最高値を更新したことも買い安心感につながった。中国の政策に対する期待感も持続。中国の関連当局は12日、内需拡大に向けた景気刺激策の一環として、サービス業や個人の消費ローンに対する利子補給を実施すると発表した。そのほか、中国当局は製造業の「内巻」(過当競争)是正に向けた動きを強めているほか、少子化対策などにも注力している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、豚肉生産で世界トップの万洲国際(288/HK)が5.6%高、中枢神経疾患・がん治療薬主力の翰森製薬集団(3692/HK)が4.9%高、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が4.6%高と上げが目立っている。万洲国際の中間決算は前年同期比0.5%増益にとどまったが、配当の増額方針を明らかにしたことが好感された。
 セクター別では、メディカル関連(製薬、サービス、機器)が高い。翰森製薬のほか、艾美疫苗(6660/HK)が7.3%、石薬集団(1093/HKが4.4%、医渡科技(2158/HK)が5.9%、平安健康医療科技(1833/HK)が3.8%、上海微創医療機器人集団(2252/HK)が6.2%、コン博医療HD(2216/HK)が4.4%ずつ上昇した。消費刺激策の恩恵があると期待されている。
当局が打ち出した消費ローンの利子補給は1件当たり5万人民元(約103万円)以下が対象だが、健康・医療など重点分野は5万人民元を超えた場合でも対象となると説明された。
 スマートフォン関連の銘柄群も買われる。舜宇光学のほか、丘タイ科技(1478/HK)が8.3%高、瑞声科技HD(2018/HK)が5.3%高、高偉電子(1415/HK)が3.0%高と値を上げた。
 半導体やクラウドの銘柄群も物色される。蘇州貝克微電子(2149/HK)が4.0%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.2%高、華虹半導体(1347/HK)が3.0%高、微盟集団(2013/HK)が6.9%高、金山雲(3896/HK)が2.6%高で前場取引を終えた。
 非鉄セクターもしっかり。江西銅業(358/HK)が5.8%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.6%高、中国宏橋集団(1378/HK)が2.6%高、中国アルミ(2600/HK)が2.3%高で引けた。
 半面、マカオ・カジノはさえない。銀河娯楽集団(27/HK)が2.9%、新濠国際発展(200/HK)が1.8%、金沙中国(1928/HK)が1.6%、美高梅中国HD(2282/HK)が1.1%ずつ下落した。
 本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.56%高の3686.34ポイントで前場取引を終了した。医薬が高い。
素材、ハイテク、自動車、不動産、証券、軍需産業なども買われた。半面、エネルギーは安い。公益、銀行も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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