指標発表が警戒される流れ。中国では15日に7月の小売売上高や鉱工業生産、1~7月の鉱工業生産などが公表される予定だ。いずれも前回から伸びが鈍化すると予想されている。融資下振れも逆風。前日引け後に公表された7月の中国金融統計では、人民元建て新規融資額が前年同月比で500億人民元(約1兆200億円)減り、2005年7月以来のマイナス成長に落ち込んだ(市場予想は3000億人民元の増加)。米長期金利の低下や、中国の政策に対する期待感などで、指数は高く始まったものの、上値は重く、中盤からマイナスに転じている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が6.0%安、電子機器受託製造サービス(EMS)の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が5.0%安、香港リート(不動産投資信託)の領展房地産投資信託基金(823/HK)が4.1%安と下げが目立った。レノボの4~6月期決算は利益が倍増し、売上高は過去最高を記録したものの、全体の粗利益率が低下し、業績の先行きが不安視されている。
セクター別では、建材・鉄鋼が安い。鞍鋼(347/HK)が5.2%、中国東方集団HD(581/HK)が3.7%、重慶鋼鉄(1053/HK)が3.4%、華新水泥(6655/HK)が2.7%、華潤建材科技HD(1313/HK)が2.0%ずつ下落した。
自動車セクターも売られる。小鵬汽車(9868/HK)が2.7%安、吉利汽車HD(175/HK)と蔚来集団(9866/HK)がそろって1.8%安、理想汽車(2015/HK)が1.6%安と値を下げた。
医薬セクターもさえない。四環医薬HD集団(460/HK)が3.4%安、石薬集団(1093/HK)が2.5%安、山東新華製薬(719/HK)が1.4%安、翰森製薬集団(3692/HK)が1.3%安で引けた。
半面、中国の保険・証券セクターは高い。中国人民財産保険(2328/HK)が5.5%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が4.7%、中国人寿保険(2628/HK)が3.6%、東方証券(3958/HK)が5.0%、広発証券(1776/HK)が3.3%、華泰証券(6886/HK)が2.9%ずつ上昇した。
不動産セクターも物色される。碧桂園HD(2007/HK)が3.3%高、華潤置地(1109/HK)と万科企業(2202/HK)がそろって2.0%高、中国海外発展(688/HK)が1.6%高で取引を終えた。
本土マーケットは4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.46%安の3666.44ポイントで取引を終了した。自動車が安い。軍需産業、資源・素材、医薬、公益、不動産、運輸、インフラ建設なども売られた。半面、金融は高い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)