中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。7月の中国経済統計が総じて弱含む中、当局は追加の景気対策を打ち出すとの観測が改めて広がっている。また、中国人民銀行(中央銀行)は15日、四半期金融政策報告書を公表。ハイテクと消費分野の成長支援を強化することが示されたことも好材料だ。本土マネーの流入もプラス。不動産市場の低迷を背景に、投資マネーが株式市場に向かうとの思惑が強まっている。中国本土と香港を結ぶ株式相互取引スキームのサウスバウンド取引(本土→香港)では、買越額が先週15日に過去最高を記録した。
ただ、上値は限定的。「トランプ関税」の不透明感がくすぶっている。トランプ米大統領は15日、今後2週間以内に、分野別関税の半導体分を設定すると発言し、当初示していた100%を上回る「200%、または300%」の水準に設定する可能性を示唆した。高関税が物価上昇圧力を高めると警戒されている。ハンセン指数などはマイナス圏で推移する場面もみられた。
テック銘柄に買いが先行。ハンセン指数の構成銘柄では、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が6.9%高、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が4.8%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が4.3%高と上げが目立っている。ハンセン科技(テック)指数は2.0%高と他の主要指数をアウトパフォームした。
セクター別では、自動車が高い。長城汽車(2333/HK)が12.6%、蔚来集団(9866/HK)が8.0%、小鵬汽車(9868/HK)が3.2%、理想汽車(2015/HK)が2.5%ずつ上昇した。新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来汽車については、新型車の投入が意識されている。電動SUV「ES8」の新型モデルは、今週21日に発表される見通しだ。
消費セクターも総じてしっかり。スポーツ用品の中国動向(3818/HK)が5.2%高、フィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップ・マート:9992/HK)が4.9%高、組み立てキャラクター玩具の布魯可集団(325/HK)が3.0%高、レストランの九毛九国際HD(9922/HK)が3.9%高、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が1.8%高で引けた。
半面、本土と香港の不動産セクターはさえない。合景泰富地産HD(1813/HK)が4.2%、中国海外宏洋集団(81/HK)が3.8%、龍湖集団HD(960/HK)が2.4%、領展房地産投資信託基金(823/HK)が1.7%、恒隆地産(101/HK)が1.4%、新鴻基地産発展(16/HK)が1.1%ずつ下落した。
本土マーケットは続伸。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)