中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。李強・首相は18日、消費促進や住宅市場安定に注力し、経済成長を維持していく方針を改めて表明した。今年の成長目標「5.0%前後」を達成することに努めると強調している。それより先、中国人民銀行(中央銀行)は15日、四半期金融政策報告書を公表。ハイテクと消費分野の成長支援を強化する方針が示された。また、政府系メディアは19日、北京や天津など複数地域が相次ぎ不動産市場安定化策を打ち出す中、需給が改善に向かう可能性があると専門家の話として伝えている。
ただ、上値は限定的。米長期金利の上昇基調が重しだ。米高関税政策による物価上昇が懸念される中、18日の米債券市場では、長期金利の指標となる米10年債利回りの上昇が続いている(債券価格は3日続落)。香港域内金利も上昇。住宅ローン金利基準のひとつとなる香港銀行間取引金利(HIBOR)1カ月物は連日で急上昇し、19日は5月7日以来の水準に達した。8月13日の0.91%台から19日は2.57%台に跳ね上がっている。
ハンセン指数の構成銘柄では、自動車ディーラーの中升集団HD(881/HK)が7.0%高、中枢神経疾患・がん治療薬主力の翰森製薬集団(3692/HK)が4.4%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が2.7%高と上げが目立った。
セクター別では、中国の不動産が高い。碧桂園HD(2007/HK)が4.2%、合景泰富地産(1813/HK)が2.0%、融創中国HD(1918/HK)が1.9%、遠洋集団HD(3377/HK)が1.7%ずつ上昇した。
オンライン医療関連もしっかり。訊飛医療科技(2506/HK)が4.6%高、平安健康医療科技(1833/HK)が3.5%高、医渡科技(2158/HK)が2.2%高、智雲健康科技集団(9955/HK)が1.8%高で前場取引を終えた。
半面、半導体セクターはさえない。ASMPT(522/HK)が3.1%安、蘇州貝克微電子(2149/HK)が1.8%安、華虹半導体(1347/HK)が1.5%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.4%安で引けた。
本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.30%高の3739.26ポイントで前場取引を終了した。不動産が高い。自動車、消費関連、医薬、公益、銀行なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)