投資家のリスク選好が強まる流れ。中国の政策に対する期待が根強いほか、米利下げ期待も追い風となっている。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は22日、ジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)で講演し、9月の利下げ再開を示唆した。22日の米株市場では、主要指数のNYダウが1.9%高と急反発し、およそ8カ月半ぶりに史上最高値を更新。香港市場にも買いが波及した。香港の域内金利が低下するとの見方や、本土でも金融緩和の余地が広がるとの期待が高まる中、指数は上げ幅を徐々に広げている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が8.2%高、中国インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が6.0%高、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が5.9%高と上げが目立った、
セクター別では、中国の不動産が高い。龍湖のほか、万科企業(2202/HK)が15.5%、融創中国HD(1918/HK)が11.8%、遠洋集団HD(3377/HK)が10.2%ずつ上昇した。
非鉄や建材、鉄鋼など素材セクターも物色される。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が8.9%高、江西銅業(358/HK)が8.1%高、華新水泥(6655/HK)が3.2%高、安徽海螺水泥(914/HK)が2.8%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.8%高、鞍鋼(347/HK)が3.2%高で引けた。洛陽モリブデンは中間決算の60%増益が好感されている。
他の個別株動向では、取引再開した東風汽車集団(489/HK)が56.1%高の9.32香港ドルと急騰。
そのほか、ハンセン指数の構成銘柄に新規採用が決まった京東物流(2618/HK)が7.6%高。株価指数を算出するハンセン・インデックシズ(HSI)は22日引け後、ハンセン指数の構成銘柄に、京東物流のほか、中国電信(728/HK)と泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ:9992/HK)の3銘柄をハンセン指数に採用すると発表している。除外銘柄なかったため、ハンセン指数の構成銘柄は85→88に増加する運びだ(入れ替えは9月8日に発効)。なお、ポップマートは1.4%高で連日の上場来高値。中国電信は0.8%高で前場を終えた。
本土マーケットは4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.86%高の3858.59ポイントで前場取引を終了した。不動産が高い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)