外部環境の不透明感が重しとなる流れ。米金融政策の混乱が警戒されたほか、米関税政策の動向も気がかり材料となっている。トランプ米大統領は25日夜(日本時間26日朝方)、住宅ローン不正疑惑を理由に連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事を即時解任。一方、クック氏は「大統領に解任の権限はなく、辞任するつもりもない」と表明した。関税政策を巡っては、トランプ氏が25日、韓国大統領との会談中に、中国がレアアース(希土類)磁石の米国向け輸出を再び止めれば「200%関税」を課すことになると記者団に述べている。また、トランプ氏は自身のSNSに、米国のテクノロジー企業に規制をかけている国に対し、大幅な追加関税と半導体の輸出規制を課すと投稿した。
もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国の政策に対する期待感が支えだ。中国当局はこのところ、不動産支援や消費刺激、過当競争是正など景気対策を相次ぎ打ち出している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が4.3%安、通信キャリア大手の中国聯通(762/HK)が3.5%安、民営教育サービス事業者の新東方教育科技集団(9901/HK)が2.9%安と下げが目立った。
セクター別では、医薬が安い。石薬のほか、信達生物製薬(1801/HK)が4.2%、康希諾生物(6185/HK)が3.3%、江蘇恒瑞医薬(1276/HK)が2.8%、百済神州(6160/HK)が2.2%ずつ下落した。
中国の不動産セクターも急落。碧桂園HD(2007/HK)が5.2%安、世茂集団HD(813/HK)が5.1%安、越秀地産(123/HK)が3.7%安、中国金茂HD(817/HK)が3.1%安と値を下げた。
半導体セクターもさえない。蘇州貝克微電子(2149/HK)が4.1%安、ASMPT(522/HK)が3.1%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.8%安、華虹半導体(1347/HK)が2.0%安で引けた。
半面、産金・非鉄セクターは高い。中国黄金国際資源(2099/HK)が10.6%、霊宝黄金(3330/HK)が9.3%、山東黄金鉱業(1787/HK)が4.5%、江西銅業(358/HK)が2.5%、中国アルミ(2600/HK)が1.9%ずつ上昇した。
消費セクターの一角も物色される。食肉の中糧家佳康食品(1610/HK)が4.8%高、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が3.6%高、フィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップ・マート:9992/HK)が2.7%高、食品・飲料の統一企業中国HD(220/HK)が2.6%高、乳製品の中国蒙牛乳業(2319/HK)が1.9%高、日用雑貨チェーンの創優品集団HD(9896/HK)が1.5%高で取引を終えた。キャラクター商品「ラブブ」が世界的な人気を集めているポップマートは、新IP「星星人」が大ヒットしていると伝わり、連日で上場来高値を更新している。
本土マーケットは5日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.39%安の3868.38ポイントで取引を終了した。医薬が安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)