27日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比68.03ポイント(1.76%)安の3800.35ポイントと続落した。
 投資家の慎重スタンスが強まる流れ。
米関税政策の不透明感が逆風となった。米政府は27日、ロシア制裁の一環として、同国産の原油を輸入しているインドに対し25%の追加関税(最大合計50%)を発動。ロシア産原油は中国も輸入しているため、関税交渉が厳しいものになると不安視されている。また、トランプ米大統領は25日、韓国大統領との会談中に、中国がレアアース(希土類)磁石の米国向け輸出を再び止めれば「200%関税」を課すことになると記者団に述べた。中国経済対策の期待感が根強い中、指数はプラス圏で推移する場面がみられたものの、後場に入り下げ幅を徐々に広げている。
 一方、朝方公表された中国工業企業の利益総額は今年1~7月に前年同期比1.7%減となり、1~6月の1.8%減から減少幅がやや縮小。ただ、相場に与える影響は限定された。(亜州リサーチ編集部)
 金融株が下げを主導。中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が4.3%安、中国農業銀行(601288/SH)が2.3%安、中国平安保険(601318/SH)が3.0%安、中国人寿保険(601628/SH)が2.5%安、華泰証券(601688/SH)が3.4%安、国泰海通証券(601211/SH)が2.8%安で引けた。
 不動産株も安い。金地集団(600383/SH)や新城控股集団(601155/SH)、信達地産(600657/SH)がそろって4.3%、緑地HD(600606/SH)が4.0%ずつ下落した。
 エネルギー株もさえない。
中国中煤能源(601898/SH)が2.6%安、陝西煤業(601225/SH)が2.2%安、中国海洋石油(600938/SH)が2.0%安、中国石油天然気(601857/SH)が1.6%安と値を下げた。消費関連株、医薬株、自動車株、インフラ関連株、公益株、素材株、運輸株なども売られている。
 半面、ハイテク株は急伸。半導体製造装置の瑞芯微(603893/SH)や電子機器メーカーの方正科技集団(600601/SH)などが10.0%(ストップ)高、ネットワークシステムの上海移遠通信技術(603236/SH)が7.3%高で取引を終えた。政策支援の動きが期待される。中国の国務院(内閣に相当)は26日、今後10年間のAI戦略をまとめた「『AI+』行動のさらなる実施に関する意見」を発表した。ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」が0.1%逆行高している。構成銘柄では、人工知能(AI)半導体の中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ:688256/SH)が3.2%高。上場来高値を再び更新している。同社は26日、2025年上半期決算を発表し、売上高が前年同期比で45倍に拡大したと報告した。純損益は前年同期の赤字から黒字に転換している。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が3.40ポイント(1.32%)高の260.90ポイント、深センB株指数が8.04ポイント(0.61%)安の1315.45ポイントで終了した。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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