28日前場の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前日比165.98ポイント(0.66%)安の25035.78ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が77.23ポイント(0.86%)安の8943.03と3日続落した。売買代金は2108億3310万香港ドルに拡大している(27日前場は1619億2520万香港ドル)。

 内外で企業業績の悪化懸念が広がった。前日の米株市場は上昇したものの、決算発表した半導体大手エヌビディアの株価が時間外取引で下落。同社が取引終了後に報告した2025年5~7月期決算は市場予想を上回る増収増益で着地したが、主力事業のデータセンター部門は売上高が予想に届かず、中国事業の先行き不透明感もくすぶる内容だった。内部では、美団(3690/HK)が27日引け後に発表した2025年第2四半期(4~6月)決算は売上高、調整後利益ともに市場予想を下振れた。同社株は10.3%安と急落している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、前述の美団のほか、ネット銘柄の下げが目立つ。うち阿里巴巴集団HD(9988/HK)が3.7%安、京東集団(9618/HK)が3.5%安で前場の取引を終えた。両社は美団とともに、フードデリバリー市場で激しい競争を展開。各社が巨額の補助金を投入し、ユーザーや加盟店、配達員に対する割引・還元を行っている。美団の減益決算は、こうした競争に対応するための補助金の投入が響いた格好だ。
 ただ、ネット銘柄の中でも、携程集団(9961/HK)は8.1%高と大きく上昇。同社が本日寄り前に発表した25年第2四半期決算は16%増収、26%増益と堅調な内容だった。

 また、半導体の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が8.3%上昇。中国の半導体メーカー各社が来年に向けて、人工知能(AI)向け半導体の国内生産能力を3倍に拡大する計画を進めているもよう――と外電が報じた。華虹半導体(1347/HK)も4.6%上昇している。
 一方、本土マーケットは小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.07%高の3803.08ポイントで前場取引を終了した。通信が高い。電子、非鉄金属、金融の一角も買われた。半面、鉄鋼は安い。資源、アパレル、医薬なども売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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