米利下げ期待が相場を支える流れ。米労働市場の軟化を背景に、米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げを再開するとの観測が高まっている。4日の米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りの低下が続き(債券価格は続伸)、一時は約4カ月ぶりの低い水準を付けた。中国経済対策の期待も高まる。中国人民銀行(中央銀行)と財政部が先ごろ、異例の会議を開いたと伝わり、市場には追加景気対策が打ち出されるとの観測が広がった。一部のアナリストは、金融政策は今後さらに緩和的になり、財政政策はより積極的かつ能動的になる可能性があると指摘している。
ただ、上値は限定的。米国の対中圧力が懸念されたほか、中国の指標発表も気がかり材料となっている。中国では来週8日に8月の貿易統計、10日に物価統計が公表される予定だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)とバイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)がそろって%高と上げが目立った。
セクター別では、太陽光発電関連が高い。信義光能のほか、陽光能源HD(757/HK)が20.0%、協キン科技HD(3800/HK)が10.7%、信義能源HD(3868/HK)が10.3%、福莱特玻璃集団(6865/HK)が7.7%ずつ上昇した。
リチウムや動力電池の関連銘柄では、中創新航科技(CALB:3931/HK)が12.4%高、天斉リ業(9696/HK)が8.1%高、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)が7.9%高と値を上げている。
香港と本土の不動産セクターもしっかり。新世界発展(17/HK)が5.0%高、恒隆地産(101/HK)が4.6%高、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.1%高、碧桂園HD(2007/HK)が4.5%高、広州富力地産(2777/HK)が2.9%高、雅居楽集団HD(3383/HK)が2.3%高で引けた。新世界発展は自社が運営する商業施設「K11 MUSEA(K11ミュゼア)」の来客数が今年8月、開業以来の月次最多を記録したことも支援材料。同月に開催された日本の人気漫画「ちいかわ」の大型特別展「CHIIKAWA DAYS」が客足の大幅増をけん引した。
半面、香港に拠点を置く小売セクターはさえない。イオン(AEON)グループ傘下の永旺百貨(984/HK)が4.3%、化粧品小売りチェーンの卓悦HD(653/HK)が3.8%、化粧品販売店チェーンの莎莎国際HD(ササ:178/HK)が1.6%、電子商取引(Eコマース)大手の香港科技探索(1137/HK)が1.4%ずつ下落した。
本土マーケットも4日ぶりに反発。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)