週明け15日前場の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比75.32ポイント(0.29%)高の26463.48ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が31.51ポイント(0.34%)高の9396.45ポイントと続伸した。売買代金は1620億590万香港ドルに縮小している(12日前場は1848億6260万香港ドル)。

 中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。中国経済の鈍化が懸念される中、当局は景気対策を強めるとの見方が広がっている。取引時間中に公表された中国の経済指標では、8月の小売売上高や鉱工業生産が市場予想を下回り、1~8月の不動産開発投資は縮小率が拡大した。米利下げ観測も追い風。米連邦準備理事会(FRB)は米経済の落ち込みを防ぐため、17~18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ再開を決定する見通しだ。朝方は弱含んでいたものの、指数は程なくプラスに転じている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が5.5%高、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が5.1%高、自動車大手の比亜迪(BYD:1211/HK)が4.0%高と上げが目立った。
 セクター別では、EV関連が高い。理想汽車やBYDのほか、蔚来集団(9866/HK)が6.0%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.8%、小鵬汽車(9868/HK)が2.5%ずつ上昇した。中国の工業情報化部など関連8部門は12日、自動車業界の発展に向けた数値目標を発表。うち新エネルギー自動車(NEV)の販売台数について、約20%増の1500万台前後とする方針を明らかにした。新興EVの大幅上昇を受け、ハンセン科技(テック)指数は1.1%高と他の主要指数をアウトパフォームしている。

 そのほか、リチウムや動力電池の関連銘柄も急伸。寧徳時代新能源科技(CATL:3750/HK)が6.8%高、中創新航科技(CALB:3931/HK)が4.4%高、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)が3.9%高と値を上げた。
 医薬セクターもしっかり。薬明生物のほか、上海復星医薬集団(2196/HK)が5.2%高、泰生物製薬(6978/HK)が4.3%高、山東新華製薬(719/HK)が3.1%高で引けた。
 半導体セクターも物色される。蘇州貝克微電子(2149/HK)が3.4%高、晶門半導体(2878/HK)が3.2%高、華虹半導体(1347/HK)が3.1%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.3%高で前場取引を終えた。
 半面、中国の不動産セクターは安い。合景泰富地産HD(1813/HK)が5.1%、碧桂園HD(2007/HK)が4.5%、世茂集団HD(813/HK)が3.5%、融創中国HD(1918/HK)が2.1%ずつ下落した
 本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.22%高の3879.29ポイントで前場の取引を終了した。自動車が高い。エネルギー、医薬、半導体、公益、銀行なども買われた。半面、不動産は安い。
素材、軍需産業も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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