19日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比11.57ポイント(0.30%)安の3820.09ポイントと続落した。
 投資の慎重スタンスが強まる流れ。
ショート動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却を巡り、トランプ米大統領と習近平・国家主席は19日(日本時間夜)に電話協議する。足もとでは通商上の圧力を双方が掛け合っているだけに、協議の結果を見極めたいとするムードが買い手控えにつながった。中国の金融政策動向も気がかり。米国が利下げ再開に踏み切ったにもかかわらず、中国人民銀行(中央銀行)が18日に実施した公開市場操作(オペ)では、7日物リバースレポ金利が据え置かれている。週明け22日(日本時間10時ごろ)に公表される実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、据え置き予想がコンセンサスだ。
 ただ、下値は限定的。中国経済対策の期待感が支えだ。中国経済の鈍化が警戒される中、当局は産業支援や消費刺激など景気対策を強めている。指数はプラス圏で推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、医薬の下げが目立つ。昭衍新薬(603127/SH)が4.4%安、康美薬業(600518/SH)が4.1%安、健康元薬業集団(600380/SH)が2.3%安、上海復星医薬集団(600196/SH)が2.2%安、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が2.0%安、上海医薬集団(601607/SH)が1.6%安で引けた。
 自動車株も急落。
重慶千里科技(601777/SH)が10.0%(ストップ)安、北汽福田汽車(600166/SH)が3.1%、遼寧曙光汽車集団(600303/SH)と北汽藍谷新能源科技(600733/SH)がそろって2.7%ずつ下落した。公益株、不動産株、金融株、半導体株の一角なども売られている。
 半面、軍需産業株はしっかり。航空機開発・製造・販売の中航瀋飛(600760/SH)が6.5%、航空宇宙製品の江西洪都航空工業(600316/SH)が4.4%、航空用エンジンメーカーの中航動力(600893/SH)が3.0%、監視レーダーなど電子機器メーカーの四創電子(600990/SH)が2.7%、衛星・ロケット用システムの航天時代電子(600879/SH)が1.2%、弾薬・ロケットの長城軍工(601606/SH)が0.9%ずつ上昇した。資源・素材株、運輸株、食品飲料・酒造株の一角も買われている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が3.41ポイント(1.29%)安の260.68ポイント、深センB株指数が14.21ポイント(1.05%)安の1342.21ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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