19日の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前日比0.25ポイント(0.00%)高の26545.10ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が15.83ポイント(0.17%)高の9472.35ポイントと反発した。売買代金は3768億1230万香港ドル(約7兆1707億円)と高水準が続いている(18日は4133億1400万香港ドル)。

 米株高が好感される流れ。昨夜の米株マーケットでは、米利下げによる緩和マネーの流入継続期待などを手がかりに、主要3指数が史上最高値をそろって更新した。香港市場にも買いが波及している。中国経済の鈍化が警戒される中、当局が産業支援や消費刺激など景気対策を強めていることも支援材料だ。ただ、全体としては動意を欠く。ショート動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却を巡り、19日(日本時間夜)にトランプ米大統領と習近平・国家主席が電話協議する。足もとでは通商上の圧力を双方が掛け合っているだけに、協議の結果が気がかりだ。中国の金融政策動向が不透明。米国が利下げ再開に踏み切ったにもかかわらず、中国人民銀行(中央銀行)が18日に実施した公開市場操作(オペ)では、7日物リバースレポ金利は据え置かれている。週明け22日(日本時間10時ごろ)に公表される実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、据え置き予想がコンセンサスだ。指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの上げが目立つ。
金沙中国(1928/HK)が6.2%高、銀河娯楽集団(27/HK)が4.2%高で取引を終えた。指数構成以外でも、新濠国際発展(200/HK)が6.6%高、永利澳門(1128/HK)が6.0%高、美高梅中国HD(2282/HK)が5.0%高と買われている。域内カジノ業界の業績改善が改めて意識された。マカオ当局が17日に公表したデータによると、カジノ業界の2024年税前利益は前年比で24.7%増加し、2年連続でプラス成長している。8月のカジノ売上高は新型コロナウイルス禍後で最高を記録するなど、今年も堅調だ。
 非鉄や建材、鉄鋼など素材セクターもしっかり。中国宏橋集団(1378/HK)が4.7%高、中国アルミ(2600/HK)が2.5%高、江西銅業(358/HK)が1.3%高、中国西部水泥(2233/HK)が5.6%高、華潤建材科技HD(1313/HK)が2.2%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が4.6%高、鞍鋼(347/HK)が3.3%高と値を上げた。
 半面、医薬セクターは安い。信達生物製薬(1801/HK)が5.4%、緑葉製薬集団(2186/HK)が5.1%、翰森製薬集団(3692/HK)が2.6%、上海復星医薬集団(2196/HK)が2.5%ずつ下落した。
 本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.30%安の3820.09ポイントで取引を終了した。医薬が安い。
自動車、公益、不動産、金融、半導体の一角なども売られた。半面、軍需産業は高い。資源・素材、運輸、食品飲料・酒造の一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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