投資家のリスク回避スタンスが強まる流れ。米中対立の激化が懸念されている。トランプ米大統領は10日、中国がレアアース(希土類)の輸出規制を厳格化したことに反発し、11月1日から中国の輸出品に100%の追加関税を課し、全ての重要ソフトウエアに対中輸出規制を導入する考えを明らかにした。一方、中国商務部は12日、米国が中国製品に100%の追加関税を課す意向を示したことに対し、必ず相応の措置をとると表明している。取引時間中に公表された9月の中国貿易統計は、輸出入が大幅に改善したものの、好感する買いは限定された。
もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国の政策に対する期待感などで、指数は引けにかけて下げ幅を縮小させている。ハンセン指数は一時3.6%安と下げていた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連の下げが目立つ。無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が5.9%安、薬明生物技術(2269/HK)が4.8%安で引けた。
新興EV(電気自動車)関連も安い。小米集団(1810/HK)が5.7%、蔚来集団(9866/HK)が4.1%、理想汽車(2015/HK)が3.5%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.4%ずつ下落した。小米については、同社製EVが交通事故を起こし、ドライバーが死亡したと報じられたことも売り材料視されている。
中国の保険・証券セクターもさえない。中国平安保険(2318/HK)が2.7%安、新華人寿保険(1336/HK)と中国人民財産保険(2328/HK)がそろって2.5%安、交銀国際HD(3329/HK)が3.7%安、中国国際金融(3908/HK)が2.5%安で取引を終えた。
他の個別株動向では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.5%安。9月のスマートフォン用レンズ出荷数が前年同月比1.0%減となり、5カ月連続でマイナスとなったことも嫌気された。
半面、産金セクターは急伸。赤峰吉隆黄金鉱業(6693/HK)が9.3%、紫金黄金国際(2259/HK)が9.2%、山東黄金鉱業(1787/HK)が7.1%、霊宝黄金(3330/HK)が6.1%ずつ上昇した。
本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.19%安の3889.50ポイントで取引を終了した。自動車が安い。医薬、不動産、消費関連、インフラ関連、エネルギー、公益、保険・証券なども売られた。半面、銀行は高い。半導体、産金・レアアースも買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)











