投資家心理が上向く流れ。中国の政策に対する期待感や、米中対立の過度な警戒感が薄らいだことが支えとなっている。来年から始まる第15次5カ年計画(2026~30年)について中国共産党が議論する第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)は、23日に閉幕した。会議後のコミュニケ(声明)では、経済発展の軸足を内需に移し、人工知能(AI)産業を支える半導体など先端ハイテク分野の自立自強を加速する方針などを示している。
また、米ホワイトハウスは23日、韓国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)にあわせ、トランプ米大統領と中国の習近平・国家主席が30日に首脳会談を開くと発表した。トランプ氏は先ごろ、中国との貿易関係は不公平だったとし、予定している首脳会談が実現しない可能性に言及していただけに、ひとまず安堵感が広がっている。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。電子部品メーカー大手の環旭電子(601231/SH)と電子機器メーカーの方正科技集団(600601/SH)がそろって10.0%(ストップ)高、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が6.8%高、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が5.9%高、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が5.1%高で引けた。ほか、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、人工知能(AI)チップの中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ:688256/SH)が9.0%高。主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」は4.4%上昇し、他の主要指数をアウトパフォームした。
軍需産業株も物色される。衛星開発・運用の中国衛星(600118/SH)が10.0%(ストップ)高、弾薬・ロケットの長城軍工(601606/SH)が4.7%高、衛星・ロケット用システムの航天時代電子(600879/SH)が4.2%高、航空用エンジンメーカーの中航動力(600893/SH)が2.4%高、航空機開発・製造・販売の中航瀋飛(600760/SH)が1.4%高で取引を終えた。
半面、不動産株はさえない。中華企業(600675/SH)が3.8%、華遠地産(600743/SH)が2.7%、華麗家族(600503/SH)が2.4%、緑地HD(600606/SH)が2.2%、信達地産(600657/SH)が1.8%ずつ下落した。エネルギー株、消費関連株、運輸株、公益株、銀行・保険株も売られている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.03ポイント(0.01%)安の261.09ポイント、深センB株指数が0.96ポイント(0.07%)安の1339.61ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)











